「ゴジラ」生誕70周年記念作品(日本制作では30作品目)という、話題の映画をさっそく観に行ってきました。
どうしても前作の「シン・ゴジラ」との比較になってしまいますが、個人的には前作の方が好きです。
(その理由は後述)
今回の映画を簡単に説明すると
「ジュラシックワールド」+「三丁目の夕日」+「永遠の0」+「アルキメデスの大戦」+「らんまん」
というのが、分かりやすいと思います。
人間がゴジラと遭遇する様子は、「ジュラシック・ワールド」の世界観だし
戦後日本の映像は、「三丁目の夕日」※の雰囲気だし
飛行機パイロットの描写は、「永遠の0」※の感情表現だし
艦隊がゴジラと対峙する場面は、「アルキメデスの大戦」※のCGとそっくりだし
主人公役の神木隆之介と浜辺美波のやりとりは、「らんまん」を彷彿とさせます。
(朝ドラよりこちらの映画の撮影が先だったそうですが)
山崎貢監督の作品(※は彼の監督作品)ということで予想はしていましたが、ここまで寄せてくるとは思っていませんでした。
確かに良くできています。VFX(CG) はハリウッド映画にも劣っていません。私が観たのは 東宝系列のDOLBY ATOMOSでしたが、IMAX上映もあり、振動も音声も臨場感はハンパないです。
ただ、脚本がねえ.....。
従来からある、水爆実験で生まれた(目覚めた)という設定より前から生息していたというのは、どうなんでしょう。(題名はそのために「−1.0(マイナスワン)」としたそうですが)今までのゴジラ映画の全否定なのか、挑戦なのか?
登場人物のセリフや感情表現も、もう一つ深みが感じられません。いろいろな境遇の人が登場しますが、人間模様を取り入れるのであれば、そう少し人物の背景に寄り添っても良かったのでは?神木隆之介君が一人で気を吐いていて、他の俳優さんたちは普段見るキャラクターそのままだったのが残念です。
色々な困難を乗り越えて、非力な人たちが知恵を絞って巨大な敵に対峙する、という設定が好きな人にはたまらないストーリーです。ところどころツッコミどころはありますが(最後は泣けます💧)。
私のような小ネタやギミックが好きな人は「シン・ゴジラ」の方が良かったと思うはず。どのみちフィクションなので、それに振り切って構想したこちらの方が良いという人も多いと思います。
そんな訳で、今作の個人的な評価は ★★★☆☆ といったところです。