豊中市を拠点の一つにしている日本センチュリー交響楽団(センチュリー響)が、市立文化芸術センター(文芸センター)でシーズン毎に行っている「豊中名曲シリーズ」というコンサート。毎回テーマを決めて、そのテーマに沿った曲を演奏するのですが、この冬のテーマは "Gift" でした。
私が今回このコンサートを聴きに行こうと思った理由は二つあります。一つは今まで聞く機会のなかったフォーレ作曲の「レクイエム」を演奏するということ。もう一つは、その「レクイエム」で歌うソプラノのソリストが、私の好きな石橋栄実さんだったことです。
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18日土曜日15:00、文芸センター大ホールでコンサートが開演しました。席は2階席の最前列だったので、舞台全体がよく見える位置でした。
●第Ⅰステージ
ワグナー「ジークフリート牧歌」
楽劇と呼ばれる大掛かりな楽曲を手がけたワグナーが、その妻コジマの誕生日プレゼント(正にGift )として書かれた作品。「ジークフリート」という有名な楽劇がありますが、この曲のジークフリートというのは、2人の間に生まれた息子の名前です。
20分ほどの短い曲で、解説によると楽劇「ジークフリート」のフレーズが散りばめられているそうですが、原曲も聞いたことのない私には全くわかりませんでした。
大仰な曲ではなく、小編成のオーケストラで演奏される子守唄のような曲だったので、座席でうつらうつらしながら聴いていました。
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●第Ⅱステージ
ドビュッシー「子供の領分」
有名な曲ですが、これもドビュッシーが娘のために書いた楽曲です。確かピアノ曲だったはずなのに、ステージにはフルオーケーストラが並んでいて、あれ?と思ったら、彼の友人カプレがオーケストラ用に編曲したものだそうです。
ピアノ曲とはだいぶイメージが違いますが、小さな子供たちが遊びまわっている風景が広がるような、聴いていて微笑んでしまうメロディが印象的でした。
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休憩を挟んで、いよいよこの日のメインステージです。
●第Ⅲステージ
フォーレ「レクイエム」
モーツァルトの「レクイエム」と並んで、よく演奏される有名な曲にも関わらず、なぜか今までちゃんと聴いたことがありませんでした。「レクイエム」というのは死者のためのミサ曲ですが、学生時代に教会でミサ曲を歌ったことのある私には、好きなジャンルです。
なぜこの曲が "Gift" というテーマに沿った曲になるのか?おそらく、死者などの非日常なものに与うる "Gift" ということでしょう。フォーレは父・母を相次いで亡くした時にこの曲を作ったそうです。
オーケストラは弦楽パートに2管編成の金管が加わり、ソロヴァイオリン、ハープ、ティンパニ、オルガンという変わった編成です。これにバリトンとソプラノのソリストと合唱団が加わります。
全7曲で40分ほどの曲ですが、宗教曲らしい厳かな雰囲気が全体を覆い、演奏としては無難な出来だったと思います。
期待していた石橋栄実さんのソロ演奏も、ちょっと声が(特に低音パート)が出ていない感じでした。ソプラノ歌手には珍しく小柄な彼女ですが、甘い声を体全体で響かせて演奏してくれました。
残念だったのは合唱パート。このご時世だから仕方ないのですが、40人全員が黒いマスクをして距離を空けての演奏。マスク越しの声はどうしても籠ってしまい、クリアな響きがありませんでした。
何より気になったのは、マスクの位置が気になるのか、しきりにマスクに手をやる団員が多かったこと。その仕草が客席からは丸見えなので、演奏を聴いていても気が散ってしまいました。
アンコール演奏はなく、カーテンコールが繰り返されて終了。マチネーということで、聴衆の入りも半分ほどだったのが、ちょっと寂しいコンサートでした。
