「新宿鮫」が帰ってきた | 晴走雨読な日々〜Days of Run & Books〜

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大沢在昌のハードボイルド警察小説「新宿鮫」シリーズは1990年から2011年まで10作品が書かれました。新宿署の鮫島警部を主人公とするこのシリーズは、警察小説がブームになる前から人気があり、毎回ベストセラーになっていました。キャリア警察官でありながら警察の内部抗争に巻き込まれて地域警察の生活安全課で事件解決にあたるという独特の設定に、私も引き込まれてすべて読破していました。

 

しかし、シリーズ10作目「絆回廊」を最後に書かれることが無くなり、続編がないことに半ば諦めていたのです。ところが、昨年11作目の「暗約領域」が出版されたことを知り、図書館での貸出予約をしたところ、先日やっと手にすることができました。約700ページもある大作なので、読み切るのに2週間もかかってしまいましたが。

 

 

(シリーズを読んだことのない人にはあまり興味のないことと思いますが)

前作で、信頼する上司の桃井課長が殉職し、恋人の晶とも別れてしまい、周りに全く理解者がいなくなった鮫島がどうなるのか?興味津々で読み始めたものです。

 

2人で行動するのが基本の警察捜査で、鮫島は相変わらず単独で行動します。そんな鮫島の元に新しい上司がやってきます。しかも、鮫島の監視役(?)として、元の職場である警視庁本庁から来たのは、基本ルールを信条とする女性課長でした。そんな彼女は鮫島の単独行動を許すはずもなく、若手刑事と組んで捜査にあたることを命じます。

 

違法の民泊施設での殺人事件をきっかけに、物語は鮫島の仇敵も巻き込み、国際的な事件の様相に変わっていきます。新宿を舞台に、公安警察、内閣情報調査室、国際犯罪組織も動き出し、お互いの組織の探りあいが始まります。

 

鮫島は相変わらずクールでカッコ良いのですが、北朝鮮や中国、ドラッグ、殺し屋と今までのパターンを踏襲したストーリーはややマンネリかなと思う一面も。過去の作品と比べても、今一つワクワク感が少なかったのはそのせいかもしれませんね。相変わらず綿密な下調べに基づいたプロットは面白かったので、それなりに満足しました。

 

今回の作品の終わり方からすると、続編の期待が膨らみます。映画化や TVドラマ化もされた人気シリーズなので、まだまだ続くことを楽しみにしています。