クリーンハイク@箕面 | 晴走雨読な日々〜Days of Run & Books〜

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晴れた日は山に登り街を走り、 雨の日は好きな音楽を聞きながら本を読む
そんな暮らしがいい!

日頃何気に走ったり歩いたりしている道路や山道(トレイル)も、それを清掃・整備している人たちがいるお陰だということを意識する機会はあまりありません。

 

歩いたり走ったりしながら沿道のゴミなどを拾って行くことをクリーンハイクとか、就活に掛けて「拾活」と言ったりもしますが、そんな体験をさせてくれるイベントがあったので、GW終盤の5月5日に箕面まで行ってきました。

 

主催してくれたのは、箕面市の委託を受けて管理業者として箕面国定公園内を整備していて、ランで繋がっている、通称(?)”青い人” と呼ばれているYさん。私もそうですが、そんな活動に参加するのが初めてという人も多いので、イベントの名前は「はじめのいっぽ」と名付けられました。

 

彼の呼びかけで朝9:00に箕面駅前に集まったのは男女合わせて9人。トレランはしない(走らない)という主催者の案内にも関わらず、(私を含めて)トレランスタイルの人がほとんど(笑)。

 

持ち物は、昼食(行動食)や飲み物の他に、手袋(軍手)やレーキ(熊手)ゴミ袋などです。

 

箕面駅前にいる滝の道ゆずる君も、レーキを持って参加してくれるようです(笑)

 

滝道を上ってすぐのところにある「森の案内所」で簡単に入山の打ち合わせ。ここは箕面公園についての情報発信基地になっています。箕面の山パトロール隊としていろんなイベントも主催されています。

 

滝道を歩いて登るメンバー達。みんながコンパクトなトレランザックの中で、大きなバックパックの人が二人。青い人のザックの中は、山整備の道具以外に歩荷訓練を兼ねて諸々のものを入れているとか。ひときわ大きなザックは林業事務所で働いているというKouさん。ザックの中身は整備用の竹炭とかを大量に入れてあるそうで、総重量??kg。

 

滝道を外れ、西江寺に向かう脇道に入り、寺の脇からトレイルに入ります。

 

ここからトレイルの整備をしながら、ゴミ拾いをして進みます。青い人の秘密兵器、組み立て式の鍬(くわ)。土を掘り返したり均したりする時に使います。農作業ではよく見かけますが、まさかここで登場するとは。

 

去年秋の台風で箕面の山もたくさんの木がが倒され、滝道は割合早くに通れるようになりましたが、山に入ったトレイルはまだまだ完全には復旧していません。こんな倒木があちこちにあります。

 

箕面の市街が一望できる、途中の聖天展望台で一休み。

 

この日も好天に恵まれ、新緑が眩しい木々が映えます。

 

こんな看板があるほど、箕面の山の中はたくさんのゴミが捨てられているとか。

 

道路から林の中に捨てられたゴミも、見つけたら拾いに下りていきます。

 

トレイルの整備はYさんがお手本を見せてくれて、メンバーで交代で土を均します。動物が掘り返した跡や、雨水を脇に流すための轍を整えます。

 

大きな倒木があり、枝葉が人に当たりそうなところは、のこぎりでカットします。(これ、無闇やたらに切っているわけではなく、ちゃんと考えて不要な部分だけ切り取っています)

 

捨てられたペットボトルや紙くず、ガラス片などを拾いながら先に進むと、みのお山荘「風の杜」という保養施設に到着。Yさんの話では、以前あの鏑木毅さんがイベントのためにここに泊まったことがあるとか。

 

道路脇のゴミを探していると

 

使える部品だけ抜いて捨てられたパソコン(!)や

 

車のホイールカバーを発見。

(これがこの日一番の収穫かなと思っていたら、最後にとんでもないものが捨てられていました。)

 

トレイルでよく見る伐採された丸太。Kouさんによると、害虫によってナラ枯れした木を切ってシートで覆い燻蒸した後だとか。シートは一見するとビニールらしく見えますが、自然に還る素材だそうです。

 

途中の才ヶ原林道で一休み。

 

杉の木が林立しているよく見る景色ですが、Yさんに言わせると、スギを植えるだけ植えて後の手入れ(間引き)などがされずに放置されているので、あまり良い状態ではないとか。彼はこういう話になると熱っぽく語ってくれます。

 

この辺りの倒木整理も、チェーンソーなどを使って丁寧にされた跡が伺えます。

 

地獄谷を通って、こもれび展望台への分岐に到着。この辺りではハイカーの姿もちらほら。彼らの目にはゴミ袋を下げた我々はどう映ったのでしょうか?

 

スタートしてから2時間半ほどで、こもれび展望台に着きました。

 

遠くに目をやると箕面川ダムが見えます。「これはコンクリートダムではなくて、ロックフィルダムという自然に調和した治水ダムです。」とここでYさんがウンチクをひとくさり。

 

ここから谷道を下りて、箕面ビジターセンターに向かいます。

 

午前中に拾ったゴミの成果、これでもまだ少ない方です。ゴミ袋を道端に放置したわけではなく、すぐ引き取ってもらうようにYさんが事務所に連絡を取ってくれました。

 

さらに先に進むと、東海自然歩道の西の起点となる石柱が見えてきました。東海自然歩道はここから東京の高尾山まで続いています。

 

ビジターセンターの脇で昼食タイム。おにぎりなどを食べながら、ここでも自然保護に対する思いを熱く語る”青い人”。

 

差し入れの数々。おにぎりは、なんとKouさんがタケノコご飯を握って作ってくれたそうです。とても美味しくて女子に好評でした。パンはYさんの整備仲間からの差し入れ。冷凍食品はY

さんのザックのなかで自然解凍されたもの(笑)

 

帰りは車道を大滝に向かって下りていきます。

 

途中で、紅葉の苗を小さなポットに入れた後、家で育ててまた箕面の山に戻してください、というYさんの指示で、いくつか持って帰ることになりました。はたしてちゃんと育てられるのかな?

 

大滝に戻る途中にある箕面の雄滝。大滝(雌滝)とは比べ物にならないほど小さいですね。

 

車道脇の歩道で一番多いのがタバコの吸い殻。数メートルおきに捨てられているのを見つけます。この日も100本近い吸い殻を拾いました。

 

山裾にはまだ台風の倒木被害の爪痕が残ります。

 

滝道は観光客が多いため、再び車道に戻って風の社方面へ戻ることに。

 

写真では分かりにくいですが、自然の藤の花が盛りです。

 

そして、その先のトレイルからちょっと車道に出るところで、とんでもないゴミを発見!

 

それがこの写真の冷蔵庫です。この道は午前中にも通ったところですが、その時には無かったものなので、白昼に捨てられたとしか考えられません。これにはYさんも絶句!!

(もちろん後で事務所に通報して回収してもらうようにしました)

 

スタート地点の「森の案内所」に帰ってきたのは15:30頃、なんやかやで歩いた距離は12kmほどになりました。

 

「はじめのいっぽ」の箕面クリーンハイクは、文字通り初めて見聞きすることばかりで貴重な体験になりました。小さな一歩かもしれませんが、この活動が広く知られて広がるように、友人にも勧めてみようと思います。不定期ですが、月一回のペースで行われるようなので、興味のある方は是非!