みをつくし料理帖 6,7 | 晴走雨読な日々〜Days of Run & Books〜

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晴れた日は山に登り街を走り、 雨の日は好きな音楽を聞きながら本を読む
そんな暮らしがいい!

このところランニングか登山ネタの書き込みばかりで、ブログタイトル「晴走雨読な日々」のもうひとつのテーマになっているブックレビューがありませんでした。全然本を開いていない訳ではなく、何冊か読み終わったのもあるので久しぶりに取り上げてみます。

この本、題名だけ見たら料理本みたいですが、実は巻末にレシピが載っている一風変わった時代小説なんです。

主人公は女料理人の澪(みお)。大坂に生まれたのですが、淀川の水害で両親を亡くし孤児になったのを助けたのは料亭天満一兆庵の女将である芳(よし)。そこで料理の才覚を認められ料理人になります。しかしその天満一兆庵も火事で焼失してしまい、芳とともに江戸に出てひょんなことからつる屋という蕎麦屋で働くことになります。その料理の才覚で次第に江戸で評判の店になりますが、更なる苦労が次々と澪を襲います。

江戸時代を舞台にした時代小説は数多くありますが、多くが剣豪ものか捕物帳の類いですね。それに対してこの「みおつくし料理帖」は女性が主人公であることに加えて、料理がテーマになっていることが他の時代小説と一線を画しています。

2009年から書き始められて2014年に計10巻(すべて文庫本)で完結していますが、今回読んだのはその6巻目と7巻目です。


この二冊のなかで作られる料理は

生麩田楽
豆腐丼
大根の油焼き
苧環(おだまき)蒸し

重湯
牡蠣の宝船
柚餅子
鯛の粗炊き

など、病人食もあれば縁起物の料理もあります。

読み終わって思ったのは、江戸時代には普通に庶民の料理として作られていたものが、いつの間にか料亭やちゃんとした小料理屋でしか味わえなくなってしまったということです。

きちんと下ごしらえをする、一手間かけるという当たり前のことが、家ではもちろん普通の街中の店でもやらなくなっています。大量生産された食材を工場でまとめて調理して、店ではそれを暖めるだけ、というチェーン店の業態が当たり前になって、どこでどのように作られた材料か深く考えることも無く口にするのがふつうですよね。

和食が世界遺産になったのは素晴らしいことですが、それだけ希少価値になってきたということの裏返しでもあります。

美味しい和食を食べるのに懐具合を気にしながら気合いを入れて暖簾をくぐらなくてはならない、というのは考えものですね。