もちろん、本作の原作へのリスペクトや、各役者の演技力の高さも評価すべきポイントだろう。しかしそれ以上に、松下と子どもたちが紡ぎ出す本物の信頼関係こそが、ドラマ『放課後カルテ』の中に確かに息づく愛を生み出しているのかもしれない。
「同じドラマに出る共演者であり仲間であり俳優なので。対等に接することでしっかりとついてきてくれる」(※)というその言葉には、年齢や経験の差を超えて、一人の表現者として向き合おうとする真摯な姿勢が伝わってくる。
「ついつい可愛がりそうになるんですけど、そこは押さえて4カ月間ぶっきらぼうな牧野先生で行こうと思います」とコメント。
すこし意地悪な言い方をすれば、こういったインタビューでは、どうしても「一生懸命頑張ります!」「役を意識して……」といった、あざとい受け答えが目立ちがちだ。しかし本作の子どもたちは「お人形が好き」「百人一首が得意」といった小学生らしい素直な一言が印象的で、かえって好感が持てた。