●瀬田映画における断片的な言葉の広がりは、『違国日記』で新たな領域を切り開いている。ここには風景としての言葉がある。言葉という無形のものをカメラでフレーミングするといったらよいだろうか。
●そう、『違国日記』の少女たちには思いがけないスピ
ード感がある。
●朝が槙生にシンキングタイムを与えるときの「チッチッチッチ♪」というキュートな身振りの入れ方。
●話を遮って無造作にギターが奏でられるときの絶妙なタイミング(カッコいい!)。
●例を挙げていったらキリがない。
観客の予想より早く入ってくる、このしなやかで動物的なタイミングこそが瀬田映画の独特のリズムであり、本作ではそれがことごとくキマッている。
●このしなやかで動物的なタイミングこそが瀬田映画の独特のリズムであり、本作ではそれがことごとくキマッている。
●少女たちのスピード、大人たちのスピード。
●『違国日記』は二つの世代の生きるスピード感が初めて交わるところを探し続ける。
●そこに瀬田なつきの映画作家としての成熟を見る。
宮代大嗣