これまでのドラマに「存在しなかったもの」を描く | 好きなことだけで生きられる

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予定調和ではない新しいドラマを描く覚悟


脚本の仕事をする中でセクシュアルマイノリティなど、これまでのドラマ作品においては「存在しないもの」として扱われてきている人がとても多いと気づきました。以来、その人たちの存在を透明にしない世界を書きたいとずっと思っていたときに、脚本を書く機会をいただきました。


●産後2か月くらいはいざ仕事をしようにも全然頭が回らなくて、母に息子を見てもらってパソコンの前に座っても、一文字も書けなかった時期がありました。


●今はあきらめよう。そう自分に言い聞かせてきました。すべてに手が回らないからとにかくあきらめの作業の連続です。


●寅子が学生時代を過ごした昭和初期の法律は、今では信じられないくらい女性に不利な内容でした。寅子のような女性たちがいたおかげで、今の私たちがある。その過程を書きたいと思っています。


●もちろん多くの人に見てほしいですし、楽しんでほしいのですが、エンタメは見る人の好みが分かれて当然だと思っています。今書くべきことを書くという信念を持ち続けるようにしています。


●視聴者の反応まですべてを背負う覚悟はあります。この表現を使ったときにどのような印象を抱く人がいるか、というところまでは必ず考えています。


●誤解が生まれてしまうかもしれないから書くのをやめようかと考えてしまうエピソードも、よし、書いちゃえ!


●困難が多い時代でも強く生きる主人公を書きたかったんです。元々気の強い私の脚本だけでは言葉だけが強い印象になりそうなところも、伊藤さんの演技を通してみると印象が変わります。ドラマになったときに、より視聴者に伝わる物語になるはずだと自信を持って書くことができています。


●毎年、手帳に40個くらい「これから叶えたい夢」を書くのですが、“朝ドラの脚本を書く”ことはもう何年も書き続けていたことでした。


●今回は「家族」を絆で結ばれたゆるぎないものではなく、もっと軽やかに書きたいと思っていました。


気をつけたのは、“どんな関係にも縛られなくていい”ということです。血縁の有無や、元々恋人であったかどうかにかかわらずその人の「帰る場所」でありさえすればそれは家族といっていいのではないかと思うのです。


『虎に翼(NHK・連続テレビ小説)』の脚本家吉田恵里香さん。従来の「朝ドラ」の枠組みを超える脚本が日々話題を呼んでいます。予定調和ではない新しいドラマを描く覚悟、主人公のをはじめ困難な時代に道を切り拓いた女性たちへの思いを、私生活では3歳の男の子の育児中で多忙な日々を送る吉田さんに伺いました。