●ほんとうはやりたいと思うことがあっても、忘れているのかもしれません。
顔を上げてまわりを見渡してみると、「面白そうだな」「楽しそう」「もっと知りたい」「見てみたい」「行ってみたい」「やってみたい」と、知的好奇心をそそるものがあるはず。
それを「いつかやろう」ではなく、できるだけすぐに小さく試すのです。
楽しくなければ、すぐにやめればいいのですから。
仕事もむずかしく考えず、興味をもったら「ちょっとやってみようかな」と試してみればいいではありませんか。結果がどうのではなく、夢中になった時間そのものが財産だと思うのです。
それに「やりたいこと」は、やる前は「やってみたいこと」にすぎません。試してみなければ、「やりたいこと」「深めたいこと」にはたどりつけないのです。
人生の時間を「やるべき(と思い込んでいる)こと」から「やってみたいこと」にどんどん置き換えていきましょう。
何歳になってもお金の不安がない人は、お金を貯蓄や投資するだけでなく、未来の自分のために“時間の投資”をしてきた人だと感じます。
時間も、お金と同じで使い方は「消費」「浪費」「貯蓄・投資」の3つ。
時間の「消費」は、価値が同等のもの(生活費を稼ぐための労働、睡眠や食事、買い物、通勤など生活時間)に時間を使うこと。時間の「浪費」は、価値が下がるもの(だらだらとネットやテレビを見ること、行きたくない飲み会など)、時間の「投資」は、価値が上がるもの(スキル習得や学びの時間、健康管理の時間、大事な人と過ごす時間、新しい体験をする時間など)に時間を使うことです。
心情の面から考えると「もったいない時間だった」と思うのが浪費、「いい時間だった」と思うのが投資。ときには「しんどかったが、いま考えるとあの時間があったから、いまがある」と思える投資の時間もあるかもしれません。
そんなふうに、未来の自分の価値を高める時間、自分の世界を広げる時間を、1日30分でも意識してもとうではありませんか。それは未来への“準備”になります。
だから、1日10分でもいい。“ひとり作戦会議”を開いて、「ほんとうのところ、どうしたいの?」と自分の本音を聞き出そうではありませんか。
時間やお金の使い方を考えるときも、「自分はどんな生き方をしたいのか」という自分への期待がわかっていないと、浪費と後悔を繰り返すことになります。
思っていることを紙に書き出すのも、本音が言語化できるのでおすすめです。
※本連載は、有川真由美氏の著書『お金の不安がなくなる小さな習慣』(毎日新聞出版)より一部を抜粋・再編集したものです。