
映画「街の上で」(2021)を観ました。
あらすじ
下北沢の古着屋で働いている荒川青。青は基本的にひとりで行動している。たまにライブを見たり、行きつけの古本屋や飲み屋に行ったり。口数が多くもなく、少なくもなく。ただ生活圏は異常に狭いし、行動範囲も下北沢を出ない。事足りてしまうから。そんな青の日常生活に、ふと訪れる「自主映画への出演依頼」という非日常、また、いざ出演することにするまでの流れと、出てみたものの、それで何か変わったのかわからない数日間、またその過程で青が出会う女性たちを描いた物語。
フィルマークスより
今泉力哉監督。
古着屋で働く荒川青。
彼女に浮気されて別れ話を切り出される。
自主映画への出演以来あり。
本を読むだけのシーンなのにガチガチの演技で本編出演シーンはカットされる。
打ち上げで出会ったスタッフの城定イハとの恋バナシーンが秀逸。
いろいろあって結局彼女が戻って来る。
冷蔵庫にあった以前のケーキを二人でつまみながら映画が終わる。
このラストのおかげでいつなく鑑賞後に幸福感が残る。
城定イハとの恋バナシーンだけでも確実に日本映画史に残る名シーン。
深夜に出会ったばかりの男女が互いの恋バナを赤裸々に語るドキドキ感は見ているこちらにまで伝わってくるようだ。
今泉力哉監督作品を人に薦めるのに、いままでは「終わっている」だったが、「街の上で」もいいかなと思う。
原作物もいいけど、オリジナルの企画の方が自由度が上がって監督の持ち味が生かされる気がする。
「街の上で」の城定イハはお世辞抜きで魅力的だ。