
それは
見ていて自分も撮りたくなるかどうかが
基準です。
つまり、見ていてこちらも写真を撮りたくなる写真は好きな写真で
そうでない写真はあまりぴんとこなかった写真になります。
暑い中で、森山大道の写真展に行ってきました。
恵比寿の駅で降りて
恵比寿ガーデンプレイスにある東京都写真美術館に向かいました。
美術館で入場券を買い、
カバンをロッカーに入れて
いざ3階の展示会場にエレベーターで
向かいました。
中に入ると
代表作の振り向く犬を撮った写真が出迎えてくれました。
「三沢の犬」というタイトルなのですね。
写真の横にある作品紹介を見てわかりました。
「にっぽん劇場写真帖」からの作品があり
広い場所に移動すると街を歩いて出会った人やモノにカメラを向けた写真が
数多く並べられていました。
あたかも見る人をその場所に連れていくかのような
スナップ写真の数々を目にすることになります。
モノクロとカラーの両方の写真たちが普段目にすることのない
あるいは目にしても目に止めないその瞬間を写し出しています。
猥雑で
時に軽やかに活きる人々に向ける視線は
ある意味すべての人々の生を無条件で
祝福しているかのようにも見えてきます。
80歳になりながらも
移り行く街や人々に対しての興味が尽きない
森山大道の飽くなき好奇心を感じることができた時間でした。
個人的には、もう終わってしまうのと
普段圧倒的な量を生み出すことを指針としている森山大道だったので
物足りなさすら感じてしまうほどでした。
でも、入場料を補ってあまりある作品に出会えたと思います。
写真展で見ている時からか
あるいは、駅に向かう道すがら
ああ、なんだか写真が撮りたくなる写真だったなと思っている自分がいました。
ちょっと物足りなかった感情は、
過去の作品を見たりしてまぎらわすしかないようです。