村上春樹「一人称単数」を読みました。 | 好きなことだけで生きられる

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先日発売された村上春樹の6年ぶりの短編集「一人称単数」を読みました。

2018年から2019年、2020年と「文學界」で、不定期に発表された短編に書き下ろし1作品を新たに加えて発売された短編集です。

・「石のまくらに」
・「クリーム」
・「チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ」
・「ウィズ・ザ・ビートルズ With the Beatles」
・「『ヤクルト・スワローズ詩集』」
・「謝肉祭(Carnaval)」
・「品川猿の告白」
(以上、「文學界」に随時発表)
・「一人称単数」(書き下ろし)

以上の8つの短編からなります。

「文学界」に掲載された時に、読めていない作品が3作品。

他の4作品は、掲載時に読みました。

まだ、読んでいない作品は、

・「ウィズ・ザ・ビートルズ With the Beatles」
・「『ヤクルト・スワローズ詩集』」
・「謝肉祭(Carnaval)」

の3作品と新作の「一人称単数」がまだ、読めていない作品です。

その日は、仕事終わりに渋谷の書店に立ち寄りました。

まず、タイトルにもなっている書き下ろしの短編「一人称単数」を読むためでした。

さっそく本を見つけて手に取りました。

なるほどなるほど、ふむふむ。

話はすぐに読み終わりました。

ついでに、まだ読んでいない3作品のうちのひとつ「ウィズ・ザ・ビートルズ」を途中まで目を通したところで本を置きました。

帰り道で、こんな妄想が頭にわいてきました。

取り立てて、なんかすごく印象的な事件が起きるというよりは、そのなめらかな語り口による物語を読んで、すぐはわりと覚えているのだが、時間がたつと共になぜか少しずつ記憶から消え去ってしまうことの多い作品ではないかと。

でも、なぜかその作家の本に限って、新刊、新作が発表されると気になって読まずにはいられなかったりするのがこれまた不思議で不思議でたまりません。

もしかしたら、村上春樹は、作家ではなくて、魔法使いなのかも。

自分の書いた作品を読ませる魔法をかけているのかもしれない。

いやいや、何を考えているんだろう。

おそらく、きっと、作家は極めて真摯に作品に取り組んでおられるに違いない。

それゆえに獲得されてきた自身の作品のファンたちであるに違いないと。

帰り道の妄想は、一瞬、暴走しかけたかにみえましたが、どうやら落ち着きを取り戻したようでした。

何やら妄想しながら夜道をふらふら歩く姿は、端から見ると、一人で酔っぱらっているようにも見えたかもしれません。

その姿を見た見知らぬ人は、きっとこうつぶやいたかもしれません。

「なんだ、あれがうわさの一人称ダンスってやつか」