
そのエッセイや短編集は魅力にあふれています。
でも、もともとは、テレビドラマの脚本家です。
「七人の孫」や「だいこんの花」
「冬の運動会」「家族熱」などのドラマの脚本を書いています。
有名なのは、「寺内貫太郎一家」でしょう。
樹木希林が、沢田研二のポスターを見ながら、「ジュリー」と両腕をふりながら、体をゆらして叫ぶシーンはあまりに有名だと思います。
あとは、NHKで放送された、「あ、うん」「阿修羅のごとく」などもあります。
はじめて、向田邦子の作品に出会ったのは、テレビドラマでした。
それは、まだ中学生だった頃に、偶然ついていたテレビを見ていた時に放送されていました。
もちろん、その番組がなんという番組でどういう関係者が制作したかなんて微塵も知りませんでした。
予備知識もなく、何の先入観もなく見たのがかえってよかったのかもしれません。
TBSで、22:00から放送された60分のドラマから目が離せませんでした。
後からその番組のことを調べてみると、向田邦子が脚本を書いていたドラマでした。
そのドラマの虜になり、向田邦子脚本の他のドラマも見てみました。
「あ、うん」もなかなか素晴らしい作品でした。
エッセイも、読んでみました。
片っ端から読みまくりました。
数年前に放送していた、「寺内貫太郎一家」も
向田邦子脚本の作品だったと知り、再放送を録画して見ました。
やっぱりよかったです。
次の年の夏、飛行機事故で亡くなってしまいました。
享年51歳でした。
もう、新しいテレビドラマもエッセイも小説も読めないのが残念でたまりませんでした。
その最初に出会ったテレビドラマは、「幸福」
というドラマでした。
向田邦子は亡くなっても、そのテレビドラマはまだまだ私をとらえて離してくれません。
もしかしたら、向田邦子の作品に恋をしているのかもしれません。
ドラマ「幸福」