ストーリー
不幸続きの人生に悲観して自殺を試みるが、何故かそのたびに助かってしまう、ドジな青年・サンマン(チャ・テヒョン)。
ある日4人のゴーストたちに取り憑かれてしまったせいで、死ねなくなってしまったサンマンは、自殺を成功させるために、ゴーストたちの願いを叶えることで彼らを成仏させてしまおうと考える。
ゴーストたちの自分勝手な要求に悪戦苦闘する中、やがてゴーストたちとの間に家族にも似た奇妙な感情が芽生え始めた頃、孤独だったサンマンの身に人生最大のサプライズが訪れるのだが…。
見どころ1:個性的な4人のゴーストたちに注目!
孤独な生活や仕事をクビになるなど、不幸続きの自分の人生に絶望して、安ホテルの一室で睡眠薬自殺を試みた青年・サンマン。
しかし、一時的な臨死体験を経て助かった彼は幽霊の姿が見えるようになり、同時に奇妙な4人のゴーストたちに取り憑かれてしまうことに…。
他人には見えないゴーストたちと会話するおかげで、病院でもすっかり変人扱いされてしまうサンマンですが、ゴーストたちの願いを叶えることで彼らを成仏させられると、相談に行った霊媒師から助言されることになります。
ヘビースモーカーのゴーストや、何故かいつも泣いている女性のゴースト、更にエロじじいゴーストや食いしん坊の少年ゴーストなど、どう見ても悪霊には見えない個性的な4人のゴーストたち。
性別や年齢も違う彼らが、なぜサンマンに取り憑いたのか? 映画の冒頭から続くこの疑問のおかげで、観客の興味が最後まで持続する点も実に上手いのです。
霊媒師の助言に従って、サンマンはゴーストたちを自分の体に乗り移らせ、車で海までドライブしたり、借りていたカメラを持ち主に返したり、アニメ映画を観たいといった、彼らの勝手な願いを代行して叶えることになるのですが、そのおかげでホスピス病棟に勤務する女性看護師のヨンスとの運命的な出会いを果たすことになります。
彼女に恋心を抱いたサンマンを見て、ゴーストたちは彼の体を借りて二人の恋の手助けをしようとするのですが、ゴーストに体を乗っ取られているサンマンは、彼女の前で不審者としか思えない言動を連発することに!
果たしてサンマンは無事にゴーストたちを成仏させて、ヨンスと結ばれることができるのか?
見どころ2:チャ・テヒョンの名演技が笑わせる!
主人公サンマンの目の前に、突然現れた4人のゴーストたち。彼らが生前にやり残した願いを叶えるため、サンマンは自分の体にゴーストたちを取り憑かせるのですが、泣き虫の女性から食いしん坊の少年まで、複雑に入れ替わる性格を瞬時に演じ分ける、主演のチャ・テヒョンの演技力は必見!
例えば、エロじじいゴーストに取り憑かれたサンマンの表情の変化や、少年ゴーストに取り憑かれた時の子供っぽさなど、大いに笑わせながらも主人公の好人物ぶりを、ちゃんと観客に伝えてくれるのです。
加えて、序盤のコメディ色の強い内容から、徐々に泣かせる感動的な展開へと移っても、観客が違和感なく作品世界に没頭できるのは、やはりチャ・テヒョンの存在があればこそ!
そのおかげでダメ男のサンマンにヨンスが次第に惹かれていく展開にも、観客が十分納得できるというわけです。
他人には不審者としか思えない、こうしたサンマンの奇妙な行動が、逆にヨンスとの距離を縮めてくれるのですが、実は彼女もホスピス病棟に入院する父親との関係に悩んでいることが、次第に観客にも分かってきます。
孤児院育ちで孤独な人生を送ってきたサンマンと、父親が家族にした過去の行いを許せずにいるヨンス。
同じように過去に囚われて生きている2人が、4人のゴーストたちのおかげで家族と向き合い、新たな人生に向かって一歩踏み出すという内容は、多くの人々が共感せずにはいられないもの。
実際、人生に絶望して自殺を繰り返していたサンマンが、ゴーストたちの願いを叶えるために次第に他人と深く関わるようになり、ついに自分の意思で生きようと決意する展開は、観る者に勇気と感動を与えてくれるものとなっているのです。
個性的な4人のゴーストに負けない彼の名演技を、ぜひご堪能頂ければと思います。
※注:以下は若干のネタバレを含みます。鑑賞後にお読み頂くか、本編を未見の方はご注意の上でお読み下さい。
見どころ3:ハートフルなラブコメと見せて、実は!
ここまで述べてきたように、4人のゴーストとヨンスを巡るラブコメや、主人公サンマンの人間的成長が描かれる本作。
ただ、序盤の30分は完全にコメディとして進行するため、観客の好みによっては評価が分かれるかもしれません。
しかしその後は、ホスピス病棟で最後の時を待つ患者たちの姿や、4人のゴーストたちとサンマンの擬似家族的な交流が描かれるなど、次第に深い人間ドラマの側面が明らかになっていくことになります。
この世に未練を残したゴーストたちの願いを叶えようと奮闘する中で、孤独だったサンマンの人生も大きく変化していくのですが、その先にはゴーストたちとの別れの時が待っています。
無事にヨンスと結ばれたサンマンと、願いを叶えてもらって成仏するゴーストたち。
ヨンスと2人で海苔巻きを口いっぱいに頬張るサンマンの姿に、観客も十分満足して物語はハッピーエンドを迎える。
もちろんここで終わっても、ラブコメ映画として大満足な内容なのですが、この作品が多くの映画ファンから絶賛されている理由は、実はこの後に続くラスト10分の感動的な展開にあるのです。
ゴーストたちの何気ないセリフや彼らの願いの内容など、細かい部分で張り巡らされた伏線が一気に回収される脚本は見事!
加えて、「ゴーストは聞かれたことにしか答えられない」という設定のおかげで、ラストまでネタバレせずに物語が進むので、最後に観客が味わう多幸感と感動もより倍増することになるのです。
決して過度に説明することなく、あくまでも自然に伏線やヒントが散りばめられているため、鑑賞後にすぐもう一度見返したくなることは確実な、この『ハロー!?ゴースト』。
海苔巻きを口いっぱいに頬張って泣きながら走る主人公の姿、これほど涙と感動を観客に与える映画は無い! そう断言できる個人的にもベスト1級の作品なので、全力でオススメします!
なかなか興味深く映画のことがまとめられている記事です。
評価が良かったので、気になってさっそく映画館に駆けつけました。
映画は、主人公が自殺するシーンから始まるのですが、たんたんと始まって最初の方はなんだか大丈夫かなおもしろくなるのかなと正直不安なところもありました。
ラスト10分、怒涛のごとく伏線が回収され、なんだそういうことだったのかと驚きの真実が明かされ涙なくてはスクリーンを観れませんでした。
その後何人かにこの映画をおすすめしています。
見終われば、なるほどと納得させられる内容でしたが。
観る前は、全く予想できませんでした。
良い映画は見終わってからも深い余韻を味合わせてくれます。
月並みですが、家族の大切さを教えられました。
一人で生きているのではないんだと。
支えられて生かされているのだと。
特に家族に。
普段それを忘れていることに気づかせてもらいました。
派手さはありませんが、渇いた心を潤してくれる砂漠の中のオアシスのような映画です。
斎藤工さんもいま自宅で見るべき映画5本の中にこの映画を選ばれていました。

孤独と言うか孤立に近い状況下の方は多いと思われます
事実私は全てがリモートワークに切り替わり
今のところ12日間不外出で不接触です
朝一番には白湯を飲みストレッチから1日が始まると言う女子力
そしてサボテンに話しかけたりしています
状況は違えど皆が皆
孤独や不自由を溜め込んでいるはずです
本作はベースはコメディですが
コメディテイストだからこそ
最終的にとてつもない感情のツボを突かれるはず
孤独で不自由な今こそ
映画が最も寄り添ってくれます
映画や芸術はいつだって孤独者の味方なのだから
「映画.com」2020/4/25記事より
最近、アマゾンプライムでも配信されているようです。