それから、5人は本当に忙しく収録もいつもの倍はこなした。
「ちょっと、仕事詰め込み過ぎじゃない?」
さすがに疲れたのか二宮が松本に言った。
「えっ?そう?」
「そうだよ。いくらなんでもこれは詰め込み過ぎですよ。」
「でもさ、これからの事考えたらこれくらいやらないと。カズ、我慢して。あと少しだし。」
「んー、しょうがないなぁ。でも、ゲームやる時間もなくてさすがにクタクタなんだけど...」
「まぁ、ゲームなら好きなだけ出来るようになるからさ。」
松本はそう言って二宮の前で両手を合わせて”ごめん”と言った。
「もう、しょうがないなぁ。」
二宮は仕方なくしばらく我慢する事にした。
松本と二人で決めた事なんだし。
みんなも我慢してくれてるしな。
とは言ってもみんなにはまだちゃんと話してはいない。
松本からもみんなには内緒で、と言われていた。
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その日たまたま楽屋に残った俺と潤くん。
『ねぇ、ちょっと相談なんだけど...』
と俺の隣の椅子に座り言いにくそうに話しかけて来た。
『なぁに?潤くんが俺に相談なんて珍しいね。』
ゲームをやりながら答える。
『なんかさ、カズなら冷静な判断してくれそうでさ。』
『えーそう?』
『うん。』
『で?なによ?』
『あー、あのさ。旅行行かない?』
『はっ?』
俺は急にそんな事を言われて眉間にシワを寄せて潤くんを見た。
『松本さん、どうしました?急に?(笑)』
『いや、カズと一緒に行くんじゃなくて。』
『ん?どういう事?』
『だから、俺たち5人で。』
潤くんは両手を広げて5人で、と言った。
『5人で?!どこに?』
『えっとさ。』
潤くんは小さな声で旅行先を言った。
『んー、難しいと思うけど...』
『マネージャーの斉藤さんに相談してみようとは思うんだ。』
『でも、スケジュール的に難しいよ?俺たちかなり忙しいんですよ?分かってます?』
『だから、これからスケジュールをもっと詰めてさ。三日間だけでもいいし。』
『三日間?!さらに無理じゃないの?』
俺は潤くんがかなり無謀な事を言っていると思った。
『やっぱり無理だよな...。』
『うん。厳しいって。』
『だよな...』
その時一度は諦めたのに、やっぱり潤くんにはどうしても!と言う思いがあったみたいで三日後俺に言ってきた。
『やっぱり行こう。雅紀の事もあったし。気持ちも解放してあげたいし。みんなでのんびりしたいじゃん?』
『もうさ、俺がダメとか無理だって言ったってやりたいんでしょ?』
そう言って少し笑うと潤くんは笑顔で『うん。』と答えた。
『ちゃんと決まるまではみんなには内緒だから。』と俺がみんなに喋らないようにと言われた。
斉藤さんにも最初は反対されたが潤くんの強い希望で潤くんに押し切られた形になった。
思い返してみれば、潤くんが強引に決めたって言う方が合ってるよな。
とにかく俺たち5人で目的の場所まで行けるように頑張った。
続く