「相葉ちゃん、大丈夫なの?」
大野は心配そうに松本を見た。
その時小さく相葉が何か言った。
「...どう...して...どうして...」
松本と大野と櫻井は顔を見合わせた。
櫻井は相葉の手を握った。
「雅紀?どうした?」
心配そうに相葉に話し掛ける。
その時、病室のドアが開いて誰か入って来た。
「相葉くんはどう?」と言う声に三人はドアの方を見た。
「白石先生!!」
「櫻井くん、松本くん、大野くん?」
「はい。」
大野が返事をした。
「ちょっといいかな?」
白石は、三人を相葉のベッドから離すように入り口近くから手招きした。
櫻井は握っていた相葉の手を離し布団の中に入れてあげた。
そばを離れるのは心配だったが白石の何か言いたそうな顔を見て大事な事だと悟った。
三人は顔を見合わせなが白石の手招きしている入り口近くまで行くと、白石が開けたドアから廊下へと出た。
「どうしたんですか?」
櫻井が白石に聞いた。
「うん...」
白石は小さく溜め息をつくと三人の顔を真剣に見た。
「これから話す事をよく聞いて欲しい。」
三人は黙ったまま頷いた。
「まず...高橋って知ってる?かな?」
「あっ...」
櫻井は松本と大野を見た。
「知ってるんだね。」
白石は三人を見た。
「はい。知ってます。相葉を監禁してたのは高橋です。大野の怪我も...」
櫻井は正直に話した。
白石は小さく頷いた。
「高橋は今この病院にいる。」
「どう言う事?」櫻井は眉間にシワを寄せた。
「どうして高橋と言う男が相葉くんを監禁したのか、知らないんだね?」
三人は頷いた。
「相葉くんと高橋と言う男の間には何かあったんだろうね。」
白石は腕組みをして少し考えているようだった。
そして「落ち着いて聞いて欲しい。」そう言った。
「なんですか?」櫻井は不安そうに白石を見た。
「高橋は今、二宮くんといる。」
三人はそれぞれ顔を見合わせて驚いていた。
「えっ?ちょっと待ってどう言う事ですか?」
櫻井は少し頭が混乱した。
「どうして彼が高橋といるのかは私にも分からない。」
「カズは...カズは最初から高橋の所に?」松本もよく分からないと言った顔で白石に質問した。
「最初は、相葉くんに付き添って一緒に病院に来たんだ。ここで一晩泊まったはずだよ?来た時間も遅かったし、看護師が早朝、点滴を替えに来た時にいたらしいからね。」
「あの...高橋と和也は病院のどこにいるの?」大野が白石を見た。
「それが...ある女性の病室なんだ。」
「はっ?」櫻井は眉間にシワを寄せた。
松本は自分にも責任があるんじゃないかと思った。
やっぱり俺が自分のマンションに戻ったあと高橋からの電話があったに違いない。
それでアイツ...
やっぱり俺もちゃんと雅紀が病院に行くまで一緒にいるんだった。
しかも女性の病室って...
どう言う事なんだ?
どうして女性の病室に?
雅紀と高橋と...いったい何があったって言うんだ?
「とりあえず二宮くんの居場所は伝えたからね。でも、彼は...二宮くんは自分の意思で高橋と一緒にいる事を選んだんだ。」
松本はやっぱり、と思った。
カズは自分の意思で高橋の元に行ったんだ。
もしカズに何かあったら俺の責任でもある。
松本はそう思った。
続く