櫻井は松本の話しを聞いてゆっくりと話し始めた。
「じゃあ、その高橋ってやつのアパートにいたんだ?なんで?」
「分からない。」松本は首を振った。
「ただ、カズがさ、雅紀の家でメモを見つけてそれで...」
「メモをして行ったって事は...最初から知り合いじゃなかったのか。」
「たぶん。でも分かんない。友達だったのかもしれないし、住所が分からなくて聞いただけかもしれないし。」
「そう言えば、雅紀は?どこの病院?」
「あ、そうだ。」
櫻井は、こっちに来る途中白石先生からメールが来ていた事を思い出した。
メールを見てそれをみんなにも伝えた。
「雅紀...結構酷いみたい...今は点滴で栄養剤と、肋骨も折れてて...えっ?肋骨も?」
櫻井は自分でメールを読んで驚いていた。
「そんなに酷いのか.....でも、カズからは入院するとだけだったよね?」
「たぶん、心配かけないようにしたのか...白石先生もさ、二宮から伝えるように言ってあったらしいけど。念のためメールはくれたんだけど。」
「で、病院は?どこ?」今まで黙っていた大野は櫻井を見て言った。
「あぁ、雨宮総合病院だよ。」
「あそこか...」大野は自分の手を見つめながら呟いた。
「ここら辺では大きな病院だよね。」松本が櫻井を見て言った。
「うん。設備は整ってる。」
「そんなに酷いならやっぱり相葉ちゃんに付き添って病院にいるんじゃない?」
そう言って大野が櫻井を見た。
「それならいいんだけど...カズ...どこ行っちゃったんだろう。」櫻井は不安げに立ち上がった。
窓際に行って明るくなってきた外を見た。
高橋ってやつがどんなヤツなのか。
どうして、相葉はそいつに会っていたのか。
すべてが謎だった。
大野だって怪我をさせられた。
そして...相葉が助かったのに今度は二宮がいなくなった。
本当に分からない事だらけだ。
「今日の、収録無理だよね...」
窓の外を見ていた櫻井がポツリと言った。
大野は、大きく息を吐きながら「今日は中止にしよう。マネージャーには俺から連絡しとく。」
「大丈夫なの?勝手に中止とか...」
松本が不安そうに櫻井と大野を交互に見た。
「分かんない。」大野は首を横に振ってそのまま言葉を続けた。
「でも...3人じゃどのみち無理だ...マネージャーにも隠しておけない。相葉ちゃんの事も。」
その言葉に櫻井も松本も頷くしかなかった。
それに、こんな状況で笑って収録なんて出来ない。
「ねぇ。あのさ...」松本が二人を見て何か言いづらそうにした。
「何?」櫻井は松本を見て眉を潜めた。
「翔くんのマンションからここへ帰って来る前に高橋から電話があったんだ。もしかして、カズ...その電話で...何か、その...脅されてとか...何か言われて、とか...何かあって...」
身振り手振りで話して言いづらそうにしている松本を見て大野は「和也、探そう。アイツまでいなくなったら...何かあったら...。」
櫻井と松本は大野の言葉に大きく頷いた。
続く