※誕生日シリーズのお話しです。
にのあい。
昨日は、Mステでもちゃんと紅白司会のことも言ったし。
でも、心残りはMステで誕生日おめでとうが言えなかった事。
潤くんが言ってくれたけどね。
俺は朝から帽子を被りマスクをしてタクシーに乗った。
マネージャーに頼むのは嫌だった。
自分でちゃんと行きたい。
相葉へのマンションへと向かっていた。
プレゼントだって何がいいか全然分かんないままだった。
でも、とりあえず「おめでとう」だけは言いたい。
電話でもメールでもなく直接言いたかった。
まだ朝早いせいか道路も空いているし人影もほとんどない。
むしろ薄暗くて夜みたい。
ちょっと早すぎたかな(笑)
だけど、この時間ぐらいしか行く時がない。
まぁくんはこの頃忙しい。
体も心配なんだよな。
マンションに着くとタクシーを降りてインターフォンを鳴らす。
やっぱりまだ寝てるかな。
携帯を鳴らすと寝起きの声で「もしもし」と出た。
「ごめん、開けてくれる?」
「ん?えっ?誰?」
「あー、寝ぼけてます?俺、俺。開けてよ。寒いし。」
「ん?俺?」
ダメだ。早すぎてまだ寝てたし。寝ぼけてるよ。
仕方なく何度かインターフォンを鳴らした。
電話の向こうでもインターフォンの音が響いていた。
「ごめん、誰か来たみたい。」
少し目が覚めてきたのかさっきよりしっかりした声になった。
電話は急に切れた。
「ちょっと・・・まぁくん?」
あ、切れちゃった。
代わりにインターフォン越しに声が聞こえた。
「はい?」
「あー、まぁくん?」
「あれ?かず?どうしたの?」
「あの、開けてくれる?」
「ちょっと待ってて」
ほどなくしてドアが開いてエントランスからエレベーターに乗ってまぁくんの部屋まで行った。
鍵も開けてくれていたのでズカズカ入っていく。
寝起きのまぁくんがソファーでゴロンと寝転んでいた。
「あれ?また寝ちゃった?」
「んー。どうしたの?こんなに朝早く。」
俺はソファーで伸びているまぁくんの所へ行き「今日は、誕生日でしょ?おめでと。」と顔を覗き込んだ。
「それを言いにわざわざ?」
まぁくんは、俺の言葉を聞いて急に目が覚めたのかぱぁっと明るい顔になって覗き込んでいる俺を下からギューッと抱きしめた。
「かず~ありがとう~。」
急に抱きしめられてドキドキしながら「良かった、喜んでくれて。」と言うと俺を体から離していつもの笑顔を俺に向けた。
「あ、でもごめん。プレゼント用意出来なくて。」
「えー、いいよ。プレゼントなんてさ。」
「でもさ。」
俺はまだ上からまぁくんを覗き込んでいた。
まぁくんは両手を自分の頭の下に入れてまだ俺を見つめていた。
「何?なんか照れるんですけど?」
「ん?かずは可愛いなと思って。」
「えっ?何急に?恥ずかしいんですけど?」
俺を下から見てるまぁくんの顔があまりにもカッコよくてドキドキしてしまった。
「あのさ。」
まぁくんはちょっと言いにくそうに俺を見た。
「何?」
「んー、やっぱいいや。」
「何なの?気になるじゃん?」
「うん。あのね。」
「うん。」
「いつも、ありがとうね。紅白司会のことも。いつも、いつも、言ってくれて。昨日だって本当は自分のアカデミー賞のこと。言いたかったんじゃない?」
「えっ?そんな事ないよ。俺はね、まぁくんが司会するのが嬉しいんだよ?でもさ、ちょっと心配なの。忙しそうだし。」
「ふふふ、大丈夫だよ。かず?」
まぁくんはそう言いながらソファーから起き上がって俺と同じ目線になった。
「何?」
真っ直ぐな瞳で俺を見てまぁくんが言った。
「かずこそ、ちゃんと食べてるの?」
「えっ?」
「ちょっと心配でさ。」
そんな風に真っ直ぐに俺を心配して見つめてくるまぁくんがとても愛おしくて。
「大丈夫ですよ?まぁくんだって忙しそうで心配よ?」
「うん。プレゼントさ。こんなんでいいよ。」
まぁくんが俺の後頭部をガシッと掴んだ。
その大きな手で優しく掴む。
そしてまぁくんの方に引き寄せられた。
俺はされるがままに身を任せた。
軽く口が触れる。
「本当はもっとちゃんとしたいけど。今日はここまで(笑)」
俺がボーッとしてると俺の頭をポンポンとしながらソファーから立ち上がった。
「かず、今日は?仕事?」
「うん。午後からロケとか。」
「そっか。時間もないね。俺も仕事。」
分かってるよ。
この時間しか会えないから来たんだし。
「ねぇ、いいの?プレゼント?」
「いいよ。かずの唇で(笑)」
「そんなんでいいの?」
俺はキッチンでコーヒーを入れるまぁくんの所へ行ってまぁくんの腕を掴んだ。
「かず、可愛いな。襲っちゃうぞ(笑)」
「まぁくんっ!!」
「怒んないの。今日は来てくれてありがと。」
「うん。ごめんね。朝早く起こしちゃって。」
「いいよ。かずだから許す。」
まぁくんはそう言ってまた抱きしめてくれた。
まぁくんの胸にすっぽり収まるとなんか安心した。
「今日は、本当におめでとう。」
胸の中でそう言うとさらにギュッと抱きしめてくれた。
二人でコーヒーを飲んで少し話してから俺はマンションをあとにした。
なんだか俺がプレゼントもらっちゃったみたいだな(笑)
抱きしめてもらって俺が嬉しかったし。
まぁくん、本当に本当に誕生日おめでとう♡
俺はタクシーに乗り込んでまぁくんのマンションをあとにした。
終わり?