24
一週間後に会える。
そう思うとあけみは嬉しかった。
早く一週間後にならないかな。
時計やカレンダーを見てソワソワしていた。
アパートに帰る途中可愛らしい女の人とすれ違った。
あれ?アパートの住人かな。
今、アパートから出てきたような。
何となく気になって後ろを振り返って彼女を見た。
まぁ、いいか。
そう思って前を見て歩きだそうとした時、タケルくんが走って来たのが見えた。
「あ、タケルくん!」との声を掛けようとした時タケルはあけみの横を通り過ぎた。
えっ?
そう思って後ろを振り返るとタケルくんはさっきの彼女の肩を掴んで何か言っていた。
私の知ってるタケルくんとは違って何だか怖かった。
タケルくんの知り合いなのかな。
彼女?
違うかな。
あけみは気になったが前を向いてまた歩き出した。
自分の部屋の前に来て鍵を開けているとタケルが息を切らせてあけみの所に走って来た。
「どうしたの?」
「いや。なんでもないですよ。」いつもの笑顔でニコっと微笑むタケルくんがいた。
さっきのタケルくんとはまた違った。
「あの、さっきの彼女?」
「いや、まさか。妹です。」
「妹?タケルくん妹いたんだ。」
「あー、はい、最近会ってなかったですけど。。」
「そっか。なんか喧嘩でもしたの?」
「えっ?」
「タケルくん、怖そうな顔で何か言ってたから。」
「あぁ、ちょっとね。」
「そうなんだ。。仲直りちゃんとしなね。」
「それよりあけみさん、今度時間取れますか?」
「うーん、どうかな?最近忙しくて。」
「そうですか。」
「ごめんね。」
「大丈夫です。じゃあまた。」
タケルは隣の部屋へと入って行った。
あけみは潤と別れてからもずっと潤の事ばかり考えていた。
タケルと二人で会う事もなるべく避けていた。
やっぱり潤が好きだと別れてからさらに強く思うようになった。