14
あれから何日立っただろうか。
俺と潤くんが、カフェで話してから何日も立っていた。
あかりからの連絡はなかった。
二人はどうしたんだろう…?
俺からは連絡していない。
そんな時だった。
潤くんから電話があったのは。
俺は仕事帰り、自分のマンションへと歩いていた。
コートのポケットで鳴っていた携帯を取り出した。
ーはい。
ー翔さん?
ーあぁ、久しぶり。どうした?
ーたまには、飯でもどう?
ーあぁ、いいよ。
ーじゃあ、いつもの店で。
ーわかった。
俺は電話を切るとタクシーを拾って潤くんといつも行く居酒屋に向かった。
居酒屋に着くとすでに来ていた、潤くんが、俺を見つけて手を上げていた。
俺は店の奥にいる潤くんの席まで歩いていった。
席に座りながらコートを脱いだ。
「久しぶりだね。」
「うん、急に誘ってごめんね。」
「何?どうしたの?」
俺はメニューを見ながら潤くんに問いかけた。
「仲良くやってんの?」
「えっ?誰と?」
俺はメニューから視線を外し潤くんを見た。
「誰と…って、あかりと。」
「あかり?あかりがどうした?」
「えっ?翔さんのところじゃないの?」
「はっ?」
俺は何を言われているかいまいち理解出来ずに潤くんをジッと見た。
「あいつ、俺の前からいなくなった。」
「いなくなったって…」
「うちにあった荷物…全部持っていったよ。」
「別れたの?」
「手紙には、ありがとうって。」
「そうだったんだ…。」
「俺はてっきり翔さんのところだと思ってたよ。」
「あれから連絡はないよ。」
「そう…」
それから、俺はあかりに電話をかけてみたけど、繋がる事はなかった。
今頃、どうしているんだろうか…?
あかり…会いたい。
俺はあかりに会いたいと心から思った。
続く