一月が終わっていく。
年末年始は、コロナに罹患してしまい、熱と悪寒で一晩、七転八倒し、咳のしすぎで喉から血が出た。
痛かったな。
家庭内隔離生活で、正月三が日をベッドの上でずっと過ごし、家族のいないリビングで冷凍食品を食べ続けた。
冷凍食品、すごく美味しかった。
身体がしんどくても、簡単便利で、本当に有り難かった。ありがとう。
やっと咳が収まって、自由に出かけられるようになって、向かったのは大好きな地中海料理のレストラン。
私が今まで出会ったダンディな人の1位は、このお店のマスターだ。
勤めたレストランを定年後に、素敵なパートナーと開いたこじんまりとした空間。
ソムリエのマスターが目利きしたワイン。
値段も都内でこの値段?ってくらいリーズナブル。
来るまでの電車に揺られている時間も、ここで過ごす時間も、帰り道の時間も、数少ない楽しみの一つ。
マスターと僕の年齢差は18歳。親子ほど離れている。
僕はいつまで、マスターのお店で過ごせるだろうか。
何を言っているのか。
自分の都合だけ考えている。
いつまでも、は無いのだ。あり得ないのだ。
今日も一生懸命、一日をこなした。
できる限りのことをした。
月曜日からとても疲れた。
お腹が空いて、家に帰る前に駅ビルに入ってアイスコーヒーとかぼちゃのスープとサンドイッチを食べた。
やっと一息つけた。我慢しないで良かった。
あのレストランに行くことは、今の自分にとって一息つける大切な場所。
今の自分にたどり着いたからこそ、出会えたお店と人。
いつかお別れすることを想像して、予防線を張るよりも、
やっと行けたその日、その時間。
マスターのお店で過ごせた歓びだけを持っていよう。
その歓びをマスターに伝えよう。
たくさんワインを飲んで、たくさん食べて、美味しいものを作ってくれてありがとうと、恥ずかしがらずに、素直に伝えられるように。