麻雀の観戦人口(後編) | 無気力無関心(仮)

麻雀の観戦人口(後編)

それでは『麻雀の観戦人口(前編)』の続きで、『麻雀の観戦人口が少ない原因は何なのか?』『麻雀観戦に伸びしろはあるのか?』について考察していきたいと思います。

 

競技環境の違い

前回では、『麻雀以外のゲームは競技環境がそのまま観戦環境につながっている(未経験者も観戦しやすい環境にある)』と書いたのですが、麻雀はどうなのでしょうか?

 

残念ながら、『麻雀は競技環境が観戦環境につながっていない(未経験者が観戦しにくい環境にある)』と言わざるを得ません。

 

麻雀はルールの認知率が低い(競技経験がないと何をやってるか見てもわかりにくい)

麻雀は子供でもプレイできる環境が少ない(環境が少ないだけでなくイメージで敬遠される場合も)

麻雀は競技としてまだ確立されていない(公式ルールや実力評価が確立されていない)

 

これらは麻雀の競技環境が未熟な部分であると共に、麻雀普及の(未経験者に興味を持ってもらう為の)課題でもあります。

 

また、麻雀の観戦人口が少ない原因は他にもありますので、リアル麻雀とネット麻雀という観点から挙げていきたいと思います。

 

リアル麻雀は観戦にあまり向いていない

そもそも、リアル麻雀には『自分がプレイして楽しむもの』という固定観念が強く、観戦という文化がほとんどありません。

 

直接的に観戦する場合、不完全情報ゲームの性質により全体を同時に見渡すことはできませんし、不正やトラブル防止の為に観戦が禁止されている場合もあります。

 

間接的に観戦する場合、採譜されていても有効活用されていませんし、麻雀番組のスイッチングで切り替える映像手法は観戦に不適格(競技経験者ですら煩わしさを感じているのに未経験者は完全に置き去り)です。

 

ネット麻雀は観戦環境が整ってまだ間もない

これに対して、ネット麻雀にはれっきとした観戦文化が存在しています。

 

しかし、その歴史はまだ浅く、(技術的には東風荘時代から可能でしたが)観戦環境が整ってきたと言えるのは天鳳の『URL牌譜』『ディレイ観戦』、Ustreamやニコ生などの『ライブ配信』が広く認知されだした2008年くらいからでしょうか。

 

また、現在ではネット麻雀が競技環境の主流にもなっていて、雀魂や麻雀VTuberが(未経験者もターゲットとすることに成功して)麻雀普及の中心を担っています。

 

AV Watch『麻雀をプロスポーツ化「Mリーグ」。“ゼロギャンブル宣言”で五輪正式種目へ』より

 

ただし、『リアル麻雀(麻雀プロ)>ネット麻雀』という固定観念もあるせいか、ネット麻雀が観戦環境の主流となるにはまだ時間が掛かりそうです。

 

麻雀観戦の伸びしろ

つまり、麻雀の観戦人口が少ない原因は、麻雀の観戦環境が以下の状況にあるからだと推測されます。

 

・未経験者は基本的に観戦しない(できない)

・リアル麻雀には観戦文化がほとんどない

・ネット麻雀には観戦文化があるが(Mリーグなどと比較すると)規模がまだ小さい

 

これに対して麻雀観戦の伸びしろとしては、『観戦環境をネット麻雀に移行してしまう』というのが最善策だと考えられますが、色々と大人の事情もあるでしょうから次善策としては『麻雀番組の映像手法や企画コンセプトを改善する(観戦環境をネット麻雀に近づける)』ということになるでしょうか。

 

改善案をいくつか例を挙げてみますが、固定観念さえ外せれば他にも色々とアイディアは出てくると思います。

 

・神の視点をやめて一人称視点にする(または一人称視点のサブチャンネルを作る)

・1つの映像に対して複数の解説をつける(応援メインや初心者解説メインなどバリエーションを増やす)

・プレイヤーが打ちながら自分で喋る(ネット麻雀も活用してプレイヤーの思考やキャラクターを前面に出していく)

・必ずしもライブ配信にこだわる必要もない(放送時間の不安定さや観るコンテンツとしての質の低さを編集で補う、逆にライブ配信をプレミア的な位置付けに)

・芸能人やVTuberも積極的に起用する(麻雀プロ・芸能人・VTuberなど、それぞれ混同させずに棲み分けをきちんと行う)

・AI戦や国際戦を企画する(「人間頑張れ」「日本頑張れ」という名目で一人称視点へ移行しやすくする)

 

また、『ルール認知率』『子供のプレイ環境』『競技として確立』に関しては、もう思い切って『既に競技環境の主流がネット麻雀に移行していることを認めて、麻雀普及もネット麻雀に特化する』しかないのではと思います。(参考:『e麻雀の可能性』)

 

まとめ

麻雀の観戦人口のデータを見て、「麻雀は観戦に向いてない」とか「Mリーグがあるから大丈夫」と言ってしまうのは簡単ですが、単純にそれだけで済むような話でもありません。

 

いくら競技人口がまだ多いとは言っても、この先には団塊世代のリタイヤによるもう一段階の底が待っていますし、観戦人口も増やす努力をしていかないと競技人口の先細りを止めることができません。(Mリーグ設立が話題となって2018年は競技人口が増えたが、翌年にはすぐ元に戻ってしまっている)

 

天国へ行くための136の方法『麻雀の市場規模データを更新しました⑨ 〜どっこい生きてる編〜』より

 

また、MリーグはAbemaというメディアの大きさによって(既存の麻雀番組のシェアを奪う形で)ある程度の視聴数を確保できてはいますが、本来は『北京冬季五輪(2022年開催予定)の種目に麻雀が採用される』という皮算用があったはずで、その目論みが外れた現在ではスローガンである『熱狂を外へ』の足掛かりを失ってしまっている状態です。

 

「Mリーグ」に関するアンケート調査結果(2019-09-25)より

 

(別に何がきっかけでも構わないのですけど)これが麻雀業界全体で麻雀のあり方について話し合うきっかけとなってくれればと思います。