リリスの神話には
もう少し続きがあります。

リリスは楽園を去ったあと、恐ろしい存在として語られるようになりました。

夜の悪霊だったり、
子どもをさらう存在だったり、
魔女として語られたりしました。

ただ楽園を出て行った女性が、
どうしてそんな存在になってしまったのかな。

そらは〈当時の社会の考え方〉が影響していると思います。

昔は男性が中心の秩序がとても強くて(今もかな)

その中で男性に従わない女性というのは
秩序を乱す存在と見なされてしまいます。

なので、男性に従わないリリスは
「危険な女性」として語られるようになったんだよね。

言い換えると、

枠に収まらない女性の象徴が
悪魔の姿で表現されたとも言えます。

もう一方の、楽園に残ったエヴァは、
アダムの肋骨から生まれ、
アダムと共に生きる女性として語られます。

夫に愛され守られる女性。
秩序の中で生きる女性。

こうして神話の中で

エヴァは「理想の妻」
リリスは「危険な女」
という対照的な存在になっていきました。

これて、誰にとっての理想で、
誰にとっての危険だったのかな。

どちらが正しいとか間違っているとか
そういう話ではないよね。

だってエヴァとリリス、どちらも
私たちの中にいるでしょ?

誰かと調和して生きたい気持ち。

そしてもう一つ、自分を
「絶対に譲りたくない」という気持ち。

うまく言葉にできなくても、自分の奥にある感覚。

占星術でブラックムーンリリスが表すのは、
まさにその部分です。

普段は表に出さないけれど、
本当は大事にしているもの。
(もしかしたら自分でも気づいていないかも)

誰かに決められるのではなく、
自分で立つ場所を決めたいという感覚。

神話のリリスも、
占星術のブラックムーンリリスも、
少し扱いにくいけど、とても力のあるテーマ。

自分の中にいることに気づいて、
時々その声をちゃんと聞いてあげることが大事なんじゃないかな。



以前の投稿で、
「リリス多すぎ問題」を書きました。

リリスを調べると、小惑星だったりダークムーンだったり、ブラックだったり、トゥルーだのミーンだの出てきて頭が混乱します。

その中で占星術でよく語られるのは、
ブラックムーンリリスと呼ばれるもの。

これは実在する星ではなくて、
月の軌道の中で地球から一番遠くなる場所。

目には見えない、
計算で導き出されるポイントです。

名前の由来になったのは
神話のリリス。

彼女はアダムと同時に創られた最初の女性だと言われています。

同じ土から生まれたふたり。

だからリリスは自分とアダムは対等だと考えていました。

でもある時、アダムはリリスに従うことを求めます。

そのとき彼女は言います。

「私はあなたの下にはならない」

同じ大地から生まれたのだから
どちらかが上で、どちらかが下になる理由はない。

そう言ってリリスは自ら楽園を去ります。

従うことより自由を選んだから。

そのあと神は
アダムの肋骨からもう一人の女性エヴァ(イブ)を創ります。

アダムから生まれた女性。
従順な女性の象徴です。

リリスが「従わない女」として語られたのに対して、

エヴァは「理想の妻」として語られました。

こうしてふたりの女性は対照的な存在になります。

従う女性と従わない女性。

秩序の中にいる女性と楽園の外へ出た女性。

占星術で使われるブラックムーンリリスは

・抑え込んできた欲望
・社会に出せなかった本音
・本当は譲りたくないもの
そんな自分の中の野生のような部分を表します。

だからリリスのテーマはちょっと扱いにくい。

きれいな言葉では語れないし
見ないふりをしていた部分だから。

でもそこには
とても強い力があります。

「私はここに立つ」

誰かに従うのではなく自分の場所を決める力。

ホロスコープでは、この「リリス」がどこにあるかで、その人がどこで自分を抑えてきたのかが見えてきます。
(ホロスコープは無料で出すことができます)



イラストはタロットカード、大アルカナ


ワンドのクイーンです。


火🔥のエネルギーの女王👑

リリスのイメージです。

もう3月!うお座が時間の感覚を溶かしているのかな。
気づくと日にちが過ぎていませんか?💧

うお座シーズンは、
はっきりさせなくてもいい。
答えを出さなくてもいい。
曖昧なままでいい。
海の中にいるみたいに、
少しぼやけて、溶けていくようなシーズンです。

そんな今日(3/3)
おとめ座で満月を迎えます。
しかも今回は、月食をともなう満月。

おとめ座にまつわる神話のひとつに、
冥界へ連れ去られた乙女の物語があります。

《ペルセポネの物語》
豊穣の女神デメテルの娘ペルセポネは、
春の野原で花を摘んでいました。

突然、大地が裂ける音がして、
地面がゆっくりと割れ、
その奥から冥界の王ハデスが現れます。

逃げる間もなく、ペルセポネは黒い馬に乗せられて
冥界へと連れ去られてしまいました。

その瞬間、地上の空気は変わりました。

娘を失った母デメテルは、世界を探し回ります。
名前を呼び続け、大地を歩き続けても見つからない。

デメテルは悲しみのあまり、
実りを与えることをやめてしまいました。

麦は育たず、果実はならず、
世界の“循環”が止まってしまいます。

神々は恐れ、ハデスに娘を戻すよう交渉しました。

そしてようやくペルセポネは地上へ戻ります。

でもペルセポネは冥界でザクロの実を食べてしまっていたの。

その赤い実の約束のせいで、一年のすべてを
母と過ごすことはできません。

半分は地上で、半分は冥界。

そのとき〈季節〉が生まれたと言われています。

会えない時間があるから会える時間が尊い。
失う時間があるから芽吹く瞬間が愛おしい。

今回の満月は、月食。
月が一瞬、影に呑み込まれます。
光が一番暗い場所に触れる瞬間みたいじゃないですか?

見ないふりをしてきた感情。
心の奥に沈めていたもの。
「なかったこと」にしていた痛み。

月食は、それを浮かび上がらせます。

うお座の海で溶けていたものが、
おとめ座の光に照らされる感じ。

うお座の季節は境界が溶けるとき。

あいまいで、やわらかくて、
どこまでが自分で、どこからが世界か分からなくなる。

でも満月は、光を当てます。

おとめ座の光は「現実に戻る」光。

ちゃんと食べる。
ちゃんと眠る。
ちゃんと暮らす。

悲しみがあっても季節は巡る。
完璧じゃなくていい。
ずっと一緒にいられなくてもいい。

私たちは光と闇を行ったり来たりしながら生きている。
冥界と地上のあいだを揺れながら、
それでもちゃんと、今日を整えていく。
↑この「ちゃんと」こそ、おとめ座の光✨





イラストはタロットカード、大アルカナ

9隠者(おとめ座のカード)

2女教皇(月のカード)


暗闇を照らす隠者と、

女教皇の後ろにはザクロの実も描かれています。

月と冥界を象徴しているようですね。