3月4日(月)になりました。
東京都大田区の行政書士しょうぶです。
さて、行政書士試験に合格した直後の時期は、今後行政書士として登録・開業をするにあたって様々な情報を集めていくことになるかと思います。
そんな中、「きちんと実務を勉強してから開業しよう」と思われる方も少なくはないと思います。
5年前の自分もまさにそうでした。
きちんと実務の勉強をしてからでないと、とてもじゃないけど行政書士として仕事をすることはできないのではないかと思っていました。
もちろん、「きちんと実務を勉強してから開業する」ことが一番の理想だと思います。
大いに知識武装・理論武装をしてから開業した方が何かと安心だと思うはずです。
でも、よくよく考えると、「きちんと実務を勉強してから」って、果たしてどれくらい勉強すれば「きちんと勉強した」ことになるのでしょうか?
行政書士業務の種類は数千とも数万とも言われている中で、この数千ないしは数万の業務を全てきちんと勉強してから開業すべきなのでしょうか?
まあ、これは絶対に無理ですよね。
では、いったい何をもって「きちんと実務を勉強した」ことになるのでしょうか?
行政書士業務のメインとなる建設業や宅建業、風営、会社設立、契約書、相続、遺言あたりをきちんとおさえておけば「きちんと実務を勉強した」ことになるのでしょうか?
このように色々と考えてみても、結局は答えが出ないと思います。
要するに、「きちんと実務を勉強した」と言える明確な基準はないと思いますし、座学で行政書士実務をきちんと勉強することには限界があるはずです。
行政書士の仕事を覚えていくためには、やはり実際に実務に携わって色々と経験していくしかないと思います。
たとえどんなに座学に時間をかけたとしても、正直実務ができるようにはならないでしょう。
もちろん、書籍を読んだり研修会やセミナーなどに参加したりすれば、行政書士業務の基礎的な部分は身につくでしょうし、実務の世界に入る前にこうした基礎的な部分は必要不可欠です。
でも、それだけでは実務ができるようにはなりません。
座学だけで自信をもって行政書士として実務をこなしていけるほど、この世界は甘くはないです。
自分も開業当時は、書籍や研修会などで得た知識がかなり役に立ったことも多々ありました。
それでも、実際の実務はイレギュラーなことばかりでした。
こうしたイレギュラーなことが発生するたびに必死になって調べたり、先輩行政書士の先生にお聞きしたり、恥を捨てて役所に確認したりしました。
勇気をもって実務の世界に飛び込み、勝手が分からない新人なりに謙虚かつ必死になって試行錯誤した結果、徐々に実務の「生きた知識と経験」を積み重ねていくことができました。
なんか長くなってきましたが、要するに何が言いたかったかというと、行政書士登録・開業に悩んでいる場合でも、どこかで覚悟を決めなければならないということです。
勉強することはとても大事ですし、実務でも必ず役に立ちます。
でも、実務の現場で経験したことは座学で得た知識の数倍も数十倍も貴重な財産になりますよ。