<競鍛講義録> 元WGP / 全日本チャンピオン レーシングライダー 小西 良輝先生 | 大西二輪塾

大西二輪塾

Project to forging in environment compete

 競鍛講義録 1 LAP

日時:2013年1月26日 厳冬の候
場所:近畿スポーツランド内会議場
参加者:民谷、山下、鍔田、山下(父)、鍔田(父)
作成者:民谷 賢司

大西二輪塾の中心的活動「競鍛講義」は人生を生き抜く偉大な先輩方に助言を頂く会です。
記念すべき第一回目の講師はロードレース界で大活躍された元世界選手権/全日本チャンピオンのレーシングライダーでチームハルク・プロレーシングアドバイザーの小西良輝先生と「小さなバイクに大きなハート」をキャッチフレーズにミニバイク振興されている、近畿スポーツランド代表 田中康彦先生に講師頂きました。

<講師プロフィール>
小西 良輝
 
元WGP/全日本チャンピオン レーシングライダー (愛称:コニー)
生年月日 1969年8月4日
身長 176cm
体重 70kg~?!
血液型 O型
1990年にロードレースデビュー。
2000年WGP500フル参戦 シリーズ19位
全日本選手権シリーズは、2003年にはST600クラスでチャンピオンを獲得した。
2004年から2006年シーズンまでJSB1000クラスに参戦し、転倒や怪我に阻まれるも2006年の鈴鹿8耐では2位表彰台 JSB1000クラス優勝などの経歴も残す。
2007年にはST600クラスに復帰、見事2度目のチャンピオンを獲得。
続く2008年も6戦中5勝を飾る快走で連覇を達成。
2010年にJGP2にて初代チャンピオンを獲得し引退表明。
現在はレーシングアドバイザーとして後進の育成にも当たる。


<小西良輝先生の競鍛講義構成>

テーマ : 「小西良輝先生の成長について」
目的 ; 「大西二輪塾生の人間総合力向上」
内容 : 自身の過去を振り返り語って頂きながら成長のポイント、意識すべきことを伝授下さいました。
 

バイクが好きで勝負の世界に飛び込んで10才頃に両親に連れられて見に行った鈴鹿サーキットで走るバイクの姿を見て衝撃をうけて以来ずっとバイクに乗りたかったんだ、けど環境が無くてね、悶々とした日々を過ごしていたよ、でも小学6年生の頃にはもう「レーサーになる」って夢をもっていてね。
その一歩を21歳から踏み出したんだ、けどすごく太っててね、ある時にエンジン屋にエンジン速くしてくれってバイク持っていったらバイクより体重を何とかしろって言われてさ、まずそこでチャレンジって言うのか、自分の中で何かが動き出したよ。
初めは自分一人の力で何とかしてやるってレースしてたけど、自身のあまりにもの無力さに打ちのめされてTSRの藤井監督の門を叩いたんだ。
そこでたかが若者一人で出来るレベルは知れていいてね、何事にも理由があるから結果が出るってことを知ったんだ。
ホントに圧倒的な違いにびっくりしたよ、この環境はすごい、この全てをまとめあげる監督はすごい、人の力はすごいって。
その時まだ太っててね、その時TSRに在籍はしていた元WGPライダーの上田昇さんからは始め「百貫デブがスライドさせて走ってる」って評されてた事もあったかな、そして必死に減量して準備したんだ。
そして翌年に鈴鹿6時間耐久で優勝、全てチームのおかげだったよ。
ただその後レースに出る事は少なかったよ、金銭面も苦しかったし時代の流れもあったんだけどね、鈴鹿8耐だけとか地方戦だけとか戦う日々を続けてた。
その頃は回りを見てももっとスゴイって人がいっぱいでね、でも好きだったし辞めなかった。
途中嫌になって一時はバイクに寄り付かない事とかもあったんだけどね、その頃から追い求める理想のライディングって言うものが見えていたから、諦めず継続したんだ、だからチャンスがめぐって来たんだと思う、続けることは本当に力だよ。
でっ、2000年に初めてシリーズ戦への年間フルエントリーを果たしんだけど、なんとそのシリーズはWGP、ロードレース世界選手権だったんだ。
でもね、その頃はなぜかリズムが悪くなっていてうまくギアが噛み合わなくてね、寝ててもレースで転倒する夢を見たりさ、足を釣って飛び起きたりもしょっちゅうでね、リキみ過ぎてたんだね。
そこにちょうどハルク・プロさんに移籍して無駄な力を抜くことを教えてもらってね、ギアが噛み合ってきたんだよ。
要するにハルク・プロの本田監督が作る世界観にうまくハメてもらったんだ。
本田監督の与えてくれる環境っていうか、ライダーをその気にさせる雰囲気、パフォーマンスを引き出してくれる雰囲気、これもまたすごかったよ、本当に一心同体でかみ合ったんだ、そして2003年にST600でチャンピオンをとってそのまま後の結果にも繋がるんだ。
 
でも全てが簡単に進んだわけじゃないよ、レースには妥協しなかったけど私生活は弱い自分に勝ったり負けたりで苦悩の連続、全然ダメダメな自分も居てもがきながら進んでいたよ。
そして、そんな最中自身を高める為の鍛錬場所としてミニバイクを選んだんだ。
一般的にミニバイクはロードレースを走る上でマイナス要素が多いと勘違いされているけど、理解して乗れば本当に練習になるし、ミニバイクを速く走らせられればロードでも技術を生かせるんだ。
そんな理論も証明したくてね、そして意思を理解し支援してくれる近畿スポーツランド田中代表に答えたいって欲求も芽生えてきてね、あの前進の日々はかけがえの無いとびきりの想いでだよ。
レースに没頭し、全てが結果となって表れたって感じかな。
そして、JGP2の初代チャンピオンを獲得して引退を決意したよ。

 


<小西良輝競鍛の言魂、一問一魂!>

人間競争力向上へのポイントは?
「両親やチームの先輩、そういった身近な知識は利用しないとダメ、利用し成長するのが義務、それは簡単、いつでもどこでも聞けばいい」

「まず目標だよ、そこから全て、全てが始まる。俺は一年間の目標を決め書いて実行、そして一年の最後に評価するんだ」

今までで後悔した過去の選択は?
「本気で戦ったレースの日々、幸せだったよ、後悔なんてないよ、あるわけ無いよ」

尊敬する人は?
「TSR藤井正和監督、ハルクプロ本田重樹監督、近畿スポーツランド田中康彦代表、人生の転機がそこにはあり、感謝のドラマがあったんだ。人の出会いに教えられて、人に助けられた、人との出会いは偉大だよ」

レースや仕事以外に競鍛環境を1つ上げるとすれば?
「人の存在によって生まれる、全て。それが大西二輪塾の言う競鍛環境の一つだね」

レースで勝つ為に考えていた事、行っていた事は?
「引退したからもう良いかな、明確に勝つ秘訣はあるよ、それは・・・・と・・・・だよ」
※ここはすごく貴重な為、大西塾だけの秘密とさせていただきます(塾生募集中?!)

レーシングライダーと言う職業の引き際を決断された葛藤は?
「自身の力でしか+α出来ない事、そこにこそ大きな価値があったんだ、引退は結婚を控えていた事もあっての選択とか雑誌のインタビューでは言ってもいたけどね、本当の理由は特別なLAPタイムと言うのか、自分だからこそ出来るってライディング、その特別な力がどうしても出せなくなってね、これは俺で無くとも良いのじゃないかって感じて、自身に負けたのかもしれない、色々苦しんだ末退くって言う決断をしたよ、でもそれは新しい道へのチャレンジでもあったんだけどね。」
 

<人間、小西良輝の肖像>

感謝の感想

大西二輪塾プロジェクトマネージャー 民谷 賢司

バイクレースは大きく分けて趣味のミニバイクレース界と興行でもあるロードレース界に分けられます。
一般的にロードレースで活躍されるようなレベルに達したライダーはミニバイクから得られるものは少ないとされ、ミニバイクサーキットで姿を見かける事はあまりないのが普通でした。
しかし、小西先生は違います、シーズン中でさえ頻繁にミニバイクサーキットに足を運ばれ練習に打ち込まれ、ミニバイクライダーとビックリする程気さくに、紳士的に交流され人の輪に入られていたのです。
そしてこう言い放たれました。
「ミニバイクも同じ二輪、まだまだ得るものは一杯ある、まだまだミニバイクで成長出来るんだ」
それは2007年で小西先生が全日本選手権で二度目のST600チャンピオンを取られた夏の頃でした。
そんな世界トップクラスの技量を持つライダーであるはずなのに、技術面やメンタル面に関しても基礎的なトライ、そして理想を求めるトライを繰り返し、痛々しいほど反復練習やミニバイクライダーとのバトルを繰り返されます。
何処でも鍛えられる、そんな競鍛環境を体現される姿がそこにありました。
そして、その成長の経験は講義の冒頭、核心を突く言葉に現れます。
「両親やチームの先輩、そういった身近な知識は利用しないとダメ、利用し成長するのが義務、それは簡単、いつでもどこでも聞けばいい」
この講義の本当に有るべき姿、いつでもどこでも求めれば、成長の道しるべは身近にある。って事を一番に伝えてもらいました。
やはり小西先生はスゴイっ。って思いました。
そして「理想のライディング、それを表現する、そして理想のライディングを持ってレースを制す、それは最高の誉れ、今でも求め続けてしまうよ」
そんな言葉からはなぜ小西先生が勝利する人間で他の人間と違うのか?との問いに答えを見たような気がしました。
結論から、小西先生は目標とする物の「理想をイメージする事がすごいっ」、って事と思いました。
人間を動かす根本的な「欲求」、そこには人間が元来持つ物もありますが、自身で創り出せるものもあるのだと思います。
小西先生は理想ライディングを思い描きます、それはより具体的に、より美しく、どんな物より気持ち良く、陶酔すらしてしまうイメージとして描かれます。
そして、そんな芸術的なイメージは欲求へと、行動原理へと、ひたむきな努力へと、成長へとつながって、勝利する人間、小西良輝と成ったのかなと。
そんな感動と発見を小西先生には頂きました。

感謝の感想

大西二輪塾生 鍔田 のぞみ

小西さんわ全日本とか世界とかを走っていたライダーなので、私と共通する部分ゎない  
んじゃないかなって思っていたんですけど、話を聞いてるうちにロードレースとミニバイクレースの違いがあまりないよって話しておられて、小西さんの考えゎすごいな~って思いました(*^^*)<

感謝の感想

大西二輪塾生 山下 七

小西さん言葉で心に残った一言などは?
レースで勝つ秘訣

その言葉に対してどう思った?
そのとうりだと思った。

小西さんへの感想
なにもかもがすごいと思った。

<最後に>

大西塾生は今後、講義の言葉が助けになり、更なる成長の一歩を踏み出せるものと思います。
この場で小西先生には改めてお礼を申し上げたいと思います。
本当にありがとうございました。
そして、これからも宜しくお願いいたします。