タイトル「森ガールと盛りあガール」 133 | 可愛い君に愛を囁きたい

 愛海は桃花の話を聞くのが楽しみだった。

 恋愛初心者の桃花の奮闘振りは、聞いてるだけで笑える。

「で、毎日いちゃついてるわけだ」

「まあ、そんなとこ」

「良かったね、幸せそうで」

 またしても桃花の顔が曇った。

「まあ、幸せは幸せなんだけどさ……」

「何、何」

 愛海のテンションがあがった。

 この顔はまた何かやらかしてくれそうだ。

 嫉妬に狂う美人って素敵。

 絵になる。

 今度は嫉妬に狂うメスブタちゃんを描こうかしら。

「実はさ、あの日、朝起きると、ルカが卒業アルバム見てるわけ」

 なるほど……。

「わたしさ、思ったのよ。ああやって、たまにアルバム見てるじゃないかって」

「その場で責めなかったんだ。もしかしたらモトカノのラムちゃん見てたかもよ」

 愛海はわざと煽ってみた。

「でしょ……」

 桃花は急に不安そうな顔になった。

 愛海にはなんとなく分かっていた。

 多分、ルカは桃花が部屋をガサ入れしたことに気がついたんだと。

 それでルカは何を見られたか、調べてたのかもしれない。

 愛海の予想通りだった。

 ルカは桃花の雰囲気がおかしいことにすぐに気がついた。

 前から携帯電話を見てることも知っていた。

 しかし疾しい事はないので、ほったらかしにしておいた。

 それよりルカが心配だったのは、エッチな本を見つからないかの方だった。

 すると、卒業アルバムが動いてる気がした。

 卒業アルバムって、何を見てるんだ……。

 そしてそれが来夢の写真だとすぐに分かった。

ページの端にグロスのあとがついていたからだ。

 ページをめくる時唾をつけたせいだろう。

 まあ、いいか……。

 これでホッとしただろう。

 来夢はブスだからな。