タイトル 「さより」2 | 可愛い君に愛を囁きたい

 あれから月日はながれ、みんな三十代後半になった。

 そう言えば今度の土曜日、同窓会だったっけ。



「三十五歳ちょうどか」

 女子がどう変わっただろう。

 まだ、三十五歳NG説の境界線だな。

 タレントTによると、女は三十五を過ぎるとオバサン化し、化け物化するってことだろうな。

 でもあの時出てた四十路前の女子アナはそうでもないような。

 しかし独身だな。

 でもいつもテレビを通して見てるから、少しずつ慣れてる。


 でも中学時代の記憶しかない美少女なんかは、それこそ、巨大化してびっくりするかもしれないな。

 まあ、親友のRはすっかり禿げ上がってるしな。

 月一であってるから違和感がないだけで、いきなり会うとその変化ぶりに衝撃をうけそうだ。

 ある程度覚悟しておかないと。



 そして同窓会が行われた。

 みんな変わってる。

 でもやっぱりどこか面影がある。

 女子もやっぱテレビに出てる人たちとはぜんぜん違うな。

 すっかりオバサンだ。

 そしてやっぱりSさんが来ていた。

 成人式の後の同窓会以来だ。

 衝撃だった。

 最初誰か分からなかった。

 名前を言われても分からない。

「さより」です。

 さより……。

 そんな子いたっけ。

「成人式の後の同窓会であったじゃないですか」

 その時初めて思い出した。

「えっ、山田さん」

 そうだ、やまだって名前だった。