タイトル「森ガールと盛りあガール」 14 | 可愛い君に愛を囁きたい

そんな時に出会ったのが、森ガール。

雑誌で森ガールの姿を見たとき、衝撃が走った。

女性恐怖症を克服してくれるのは、きっとこんな子だ。

雑誌のモデルたちを見ながら、勝手にそう思った。

森ガールなら好きになれそうな気がする。

ルカはずっと思っていることがある。

ファッションを見れば、大方の性格が分かる。

どんなことが好きで、どんなものに興味があるかみたいのは服装に表れる。

森ガールはルカのイメージにピッタリだった。

だた、「森ガール」という言葉は独り歩きを始め、流行ったおかげで、本物以上に、偽者が世にあふれ出してる気がする。

昔なら、ヤンキーファンションに身を包んだであろう女どもまでが、森ガールもどきになってる気がする。

僕は騙されないぞ。

「ヤンキーは森ガールファッション禁止令が施行されればいいのに」

本物の森ガールを見つけるんだ。

森ガールの中の森ガールを。

本物を見分ける鑑定眼を養わなくては……。

そのためには取り敢えず街に出て森ガールを観察しなくては……。

バードウォッチィングのように森ガールを……。

けして怪しいわけじゃない。

純粋な気持ちで、その生態を知ることだ。

そして本物の森ガール。僕の理想の恋人を探さなくては。

そして僕は今日も森の中に迷い込んだ。

森ガールが出没しそうなカフェ巡りを繰り返している。

その手の雑誌が出回っている。

その雑誌に載ってる店を虱潰しにする日々が続いていた。

僕はヤンキーが苦手だ。

それは過去にヤンキーと付き合ったからだけじゃない。

もう一つ僕は告白しなければいけない。

かつてヤンキーの女子にいじめにあったからだ。

それが好きな子をいじめるタイプのいじめだと分かっていても、やっぱりいじめにあった記憶は消せない。

男子にもいじめられなかったのに、僕は小、中と女子のいじめにあった。

なんでこの子は僕に意地悪なんだろう。

ずっとそう思ってた。

それが愛情の裏返しだったんだと、気がついたのは高校の時だ。

僕が来夢と別れてすぐだった。

やつが告ってきたのだ。

いじめの主犯格の南条蘭子。

「前からルカ君のこと好きだったんだ」って。

でもいじめといて好きって言われたって、好きになれるわけがない。

僕は蘭子を受け入れることはできなかった。

来夢と付き合ってたせいで、蘭子のことをそれほど怖いと感じなくなっていた。

考えてみれば、来夢と付き合ってた間、蘭子たちのいじめは治まっていた。

それは来夢が睨みを効かしてたからと言ってもいいだろう。

みんな来夢が怖かったのだ。

その彼氏と言うだけで、いじめられなくなっていた。

だから蘭子に告られた時もすんなりと「ノー」と言えた。

今思うと蘭子は結構可愛かったとも思うが、女は顔だけじゃない。

ヤンキーは嫌いだ。

どんな美人だって、絶対に嫌だ。

過去の恋愛はトラウマだ。

ヤンキーを見るだけで、気分が悪くなる。

これはヤンキー性PTSDだ。

なのに、どうして自分はヤンキーに好かれるんだろう。

そう悩んだ。