タイトル「森ガールと盛りあガール」 90 | 可愛い君に愛を囁きたい

 ああ、幻滅だ。

 私はこいつの何を見てたんだ。

 顔か。

 そうだ、見た目だ。

 ああ、私は馬鹿だ。

 こんな顔のいいだけのスケベ男に心を奪われるなんて。

 ああ、やっと目が覚めた。

「あんた、なんか言ってやんなよ、この男にさ」

葉月に向かって、桃花が声を上げる。

こんな男の子供産むのやめなよ。

不幸になるだけだよ。

そう言いたかった。

「怖いよ」と葉月は座り込んでしまった。

「やっぱり、ヤンキーのままじゃない」

葉月の言葉に、桃花はカチンと来た。

「ヘビメタとヤンキーは違うんだからね。ヘビメタをヤンキーと一緒にしないでくれる。」

桃花にビビッてる葉月を無視して、大樹のほうに向き直った。

「どうする気よ、大樹」

「どうするって……」

「そんな無責任でやることだけやって、すまされると思ってるわけ」

「帰れよ、俺たちの問題に口はさむなよ」

大樹は面倒臭そうに、桃花を無視して、葉月の手をとった。

「お前、いくら妬いてるからって、俺を追い込むなよな」

 妬いてる?妬いてる!はあ!

「私のどこが妬いてるのよ」

「うるさいよ、もう帰れよ、邪魔なんだよ、お前」