タイトル「森ガールと盛りあガール」 91 | 可愛い君に愛を囁きたい

桃花は一人、マンションに戻った。

なんか悔しかった。

どうしようもなく、悔しくてしょうがない。

私が妬いてるって。

妬いてるから、大樹にキレたって。

そんなはずないじゃない。

大樹の無責任さに頭にきたんでしょ。

そう思いながら、どこかで図星だという気がして悔しかった。

あんな男、顔以外何もないじゃない。

そんな見た目だけに振り回される自分が悔しかった。

別れたばかりの相手に、今一番、会いたかった。

よりを戻したいとかそんなんじゃない。

傷付いてる気持ちを癒してくれるのは、今ルカしかいないからだ。

でもルカには電話できないよ。

「ごめんね、ルカ」

その日、愛海に連絡をとった。

「何、別れたんだ、今津先輩と」

 愛海は意外そうな顔をしてる。

「うん、私が悪いの」

外見しか見てなかったのは、私のほうだ。

ルカの内面だけ見てたなら、大樹なんかになびかなかったのに。