次の日、桃花はドンキーで買い物をして、ルカのマンションを訪ねた。
ルカはまだご機嫌ななめだった。
その日、桃花は緑のウィッグをかぶり、トレンチコートを着ていた。
「なんかすごいかっこうだな」
ルカは少し驚いたように上から下へと眺めていた。
「いくら変装とはいえ、それは逆に変装っぽくない?」
「映画の中の女スパイみたいでしょ」
そう言って、桃花は銃をかまえるかっこうをした。
指鉄砲にフーっと息を吹きかけて、ポーズを決めた。
「かっこいいでしょ」
「あんまり趣味じゃないな」
「バーン」と桃花はルカの心臓を打ち抜いた。
「ウッ」と撃たれたふりをするルカ。
「やらすなよ、大阪人じゃないんだから」
そう言って、「コートを脱ぎなよ」と言った。
桃花はゆっくりとトレンチコートのボタンをはずした。
「ジャーン」
そう言って、トレンチコートの前を一気にはだけると、中からラムちゃんのビキニ姿が現れた。
「オオー」とルカは腰を抜かしそうに、身をひいた。
驚きのあまり目をパチクリさせるルカ。
「ラムだっちゃ」
そう言って桃花は、トレンチを脱ぎ捨てて、手渡した。
ドンキーで買ったコスプレ姿の桃花。
「ダーリン、好きだっちゃ」
そう言って、玄関先で桃花はルカに抱きついた。