タイトル「森ガールと盛りあガール」 60 | 可愛い君に愛を囁きたい

森ガールと別れた!

あんなにラブラブだったのに。

ヘビメタ捨てるほど夢中だった相手なのに、そんなにやすやす切れるんだ。

 うん?プロになるから別れたんだ、てことは、恋愛禁止みたいなルールを決めてるんじゃないの。

「じゃあ、ダメだよね、私と付き合うのも」

うっ、と大樹は息を飲み込んだ。

そしてニヤリと笑みを浮かべた。

「あっ、そっか。でもいいよ。別に、恋愛したらいけないってわけじゃないし」

なんだ、なんだ、矛盾だらけ。

何、何、これって逆に森ガールと別れるために、プロになることを利用したって感じじゃないの。

「じゃあ、なんで別れたの。モトカノと」

 森ガールがフラれたわけ……。

「うーん……」とタバコをふかす大樹。

「あいつ、重いんだよね」

 やっぱ、フラれてやがる、あの森ガール。

 ハハハ、ざまあみろって。

 何何、じゃあ、これってマジの告白じゃないの。

 森ガールと別れたから、私と付き合いたいみたいな感じ。

 願ったり、叶ったりってこと。

「本当のこと言うと、お前にフラれそうだしな」

ふと、大樹は洩らした。

本当のこと?

本当のことって何?

「やましいことあんだ」

 しばらく何か考え込んでいたが、決心したように、

「男子がなんでギターなんか練習すると思う?分かるだろ?」

 ああ、このせりふ、思い出した。

 バンド仲間と、みんなでよく話してたっけ。

「モテたくってだっけ?」

「そう」

「呆れた……」