タイトル「森ガールと盛りあガール」 70 | 可愛い君に愛を囁きたい

「バスがさ、一日4本しかないからさ、待ちわびたよ」

 ずっと、平塚駅で待ってたらしい。

 二人でバスに乗り込んで、一番後ろの席に座った。

「間に合わなかったらどうしようかと思ったよ」

「そうだ、何、落書きしてるのよ」

「だって、寝顔見てたら、いたずらしたくなったんだ」

「油性マジックで書くから、まだ少し残ってるんだからね」

「ああ、だから、そんなにメイク濃いんだ」

「そうよ。タレ目メイクでごまかしたわよ」

 バスに揺られて、終点の湘南平についた。

 なんか恋人みたいだ。

 本当の恋人同士みたいだ。

 ルカといると、恋人気分を味あわせてくれる。

 いつだってラブラブデートだ。

 夢に見てた恋愛。

 それを叶えてくれるのはやっぱりルカのほうだ。

 ルカとの気まずい関係はすっかり修復していた。

ただ平塚駅で捕まえてから、湘南平にむかうまで、ルカは桃花の手を握ろうとしない。

ルカは遠慮してるのかもしれない。

桃花のほうから手を握った。

ルカは少し驚いたようだったが、嬉しそうに微笑をかえした。