タイトル「森ガールと盛りあガール」 71 | 可愛い君に愛を囁きたい

これがテレビ塔か。

東京タワーの土産ものみたいだ。

意外とちんけでがっかりだ。

でもこんなもんかもしれない。

湘南平のフェンスの前に立った。

「南京錠をかけよう」

ルカは南京錠を取り出した。

マジックで何かを書き始めた。

「この恋が永遠になりますように、ルカ」

 そう書かれていた。

南京錠に愛のメッセージを書かなきゃいけない。

 マジックを手渡されて、桃花は躊躇いを感じていた。

 鍵をかけたら願い事が叶うなら、鍵はまだかけたくない。

 でもかけないわけにいかない。

「ずっと仲良しでいられますように、桃花」

 結局桃花は曖昧にそう書いた。

 そして二人で南京錠の鍵をかけた。

 二人の恋愛の温度差を感じる。

心が揺らぐ。

揺らぐ気持ちを抑えられない。

こんな気持ちのままで付き合っていいの?

 桃花は本気で距離を置かなきゃいけないと思った。