タイトル「森ガールと盛りあガール」 88 | 可愛い君に愛を囁きたい

「ほんとなの、早瀬さん」

「う、うん、本当だよ」

この女に仕返しするんじゃなかったの。

なのになぜ、そんなこと。

言ってやればいいじゃない。

今からメイクラブしようとしてたって。

なのに言えなかった。

桃花の言葉に少しホッとしたのか、葉月は笑顔になった。

「どうしたの、その服装。別人みたい」

 葉月は桃花の森ガールファッションに食いついた。

急に声が高くなってる。

この声、つくってるのかと思うぐらいブリブリのハイトーンだ。

「いや、これはね……」

「元彼の趣味らしいよ」

 戸惑い、声をなくしてる桃花を見て、すぐに大樹がフォローした。

「へえ、早瀬さんって怖いイメージしかないのに、彼の趣味に合わしたりするんだね」

なんだろう、この茶番な会話。

これでいいんだろうか。

私はこの女を踏みつけにして、大樹を奪い取るんじゃないの。

なのに、仲良しムード満天だ。

どうせ、いつか修羅場になるんだし、ここできっちりさせといたほうが。

茶番な会話を繰り返すうち、私の中で闘争心がメラメラ燃え出していた。

しかし大樹ってやっぱり冷たい。

葉月とは別れてるんだし、これから付き合う私より、葉月を優先したのは許せない。

 桃花は大樹に対しても不満が爆発しそうだった。