一瞬、葉月は首をひねった。
そしてじっと桃花を見つめた。
森ガールに私だとばれた。
「えっ、まさか、早瀬さん」
葉月は驚いた表情をしてる。
それはそうだろう。
葉月の知ってる桃花はモヒカンでレザー。
なのに、目の前の桃花は森ガール。
その落差に戸惑っているようだ。
「何、付き合ってるんの、二人」
葉月は踵を返して、大樹を睨みつけた。
「違うよ」
大樹が言ったその言葉が胸を貫いた。
「早瀬がフラれたって言うから、慰めてただけだって」
何一つ間違ったことは言ってない。
大樹の言葉は本当のことだ。
なのに、ショックだった。
そうだ、まだ何も始まってない。
恋愛にさえなっていないのだ。