タイトル「森ガールと盛りあガール」 87 | 可愛い君に愛を囁きたい

 一瞬、葉月は首をひねった。

 そしてじっと桃花を見つめた。

 森ガールに私だとばれた。

「えっ、まさか、早瀬さん」

葉月は驚いた表情をしてる。

それはそうだろう。

葉月の知ってる桃花はモヒカンでレザー。

なのに、目の前の桃花は森ガール。

その落差に戸惑っているようだ。

「何、付き合ってるんの、二人」

 葉月は踵を返して、大樹を睨みつけた。

「違うよ」

大樹が言ったその言葉が胸を貫いた。

「早瀬がフラれたって言うから、慰めてただけだって」

何一つ間違ったことは言ってない。

大樹の言葉は本当のことだ。

なのに、ショックだった。

そうだ、まだ何も始まってない。

恋愛にさえなっていないのだ。