(2024.3.13)

 

 

 新型コロナワクチン接種後の症例経過(副反応疑い報告)などついての内容(抜粋要約、時系列)はつぎのとおりです。

 

○(令和3年9月25日)接種

▽14歳の男性

 病歴等:なし

 9月25日 男性患者はワクチン2回目接種を受けた。

 9月29日(ワクチン接種4日後)患者はベッドから転落した。失禁があった。

 発声はあるが、「あーうー」と意味を成さなかった

 開眼しているが、視線は合わなかった

 呼びかけに反応のない状態で発見された。

 患者は、当院に救急搬送された。

 脳炎として、パルス療法を開始した。

 患者に脳炎/脳症が発現した。入院した。

 9月30日(ワクチン接種5日後)意識状態が改善。

 10月01日(ワクチン接種6日後)会話ができ、問いかけに反応できるようになった。

 MRIでは、MERS(可逆性脳梁膨大部病変を有する軽症脳炎・脳症)を疑う所見であった。

 事象意識障害の転帰は軽快であり、その他の事象の転帰は未回復であった

 報告医師は、事象を重篤と分類し、事象とワクチンとの因果関係は評価不能とした。

 

○(令和3年9月25日)接種

▽13歳の男性

 病歴等:なし

 9月25日 男性患者はワクチン1回目接種を受けた。

 9月28日(ワクチン接種3日後)発熱を発現した。

 9月29日 発熱が38度から39度の間で推移。

 肝機能関連の臨床検査値が上昇。

(不明日)肝障害を発現した。

 報告者は患者に、ワクチンと、肝機能関連の臨床検査値上昇の因果関係を聞かれた。

 報告者は、ワクチンと肝障害の因果関係を知りたい。

 事象の転帰は不明であった。

 

○(令和3年9月25日)接種

▽13歳の男性

 病歴等:不明

 9月25日 男性患者はワクチン接種を受けた。

 9月26日(ワクチン接種1日後)胸痛が出現した。

 心筋炎を疑い検査し、心外膜炎と診断された。

(3週間経過後)胸痛が続き、原因がわからなかった。

 報告者は、ワクチンでそのような有害事象報告があったか、知りたかった。

 報告者は、事象を非重篤と分類し、ワクチンと事象間の因果関係は提供されなかった。

 事象の転帰は、未回復であった

 

○(令和3年9月25日)接種

▽20歳の男性

 病歴等:なし

 9月25日 男性患者はワクチン2回目接種を受けた。

 9月27日(ワクチン接種2日後)胸部不快、狭心痛が出現。現在まで続いている。

 患者に、検査のため循環器受診を勧めた。

 報告医師は、事象を重篤(障害者につながるおそれ)と分類した。

 報告医師は、事象とワクチンとの因果関係を評価しなかった。

 事象の転帰は不明であった。

 

○(令和3年9月25日)接種

▽16歳の男性

 病歴等:約2年前の失神

 9月25日 男性患者はワクチン1回目接種を受けた。

 10月11日(ワクチン接種16日後)マラソン(学校で毎日行っている)中に、反り返るように卒倒し、呼びかけに全く反応しない状態となった。

 保健室に運び込んだ。

 心停止と判断し、心肺蘇生法開始となった。

 救急隊到着時、心肺停止であった。

 到着までに、学校のAEDにて、4回除細動が行われた。

 救急治療室に到着時、モニター上、心室細動は変わらず。

 体外式膜型人工肺が確立された。

 致死的不整脈として管理された。

 自己心拍出現後、次第に心機能は改善した。

 10月20日(ワクチン接種25日後)しかし、低酸素脳症にて意識障害は重度であり、気管支切開が行われた。

 10月21日(ワクチン接種26日後)車いすでのリハビリを開始した。発熱は継続。

 11月01日(ワクチン接種37日後)一般病棟に転棟した。輸液が終了した。

 11月08日(ワクチン接種44日後)嘔吐あり。上腸間膜動脈症候群により、ICUへ転棟した。

 駆出率異常、左心室肥大の転帰は不明であり、その他の事象の転帰は続報で回復したと報告された。

 報告医師は、事象を重篤(永続的、顕著な障害、機能不全、生命を脅かす)と分類し、事象とワクチンとの因果関係を評価不能とした。

 

○(令和3年9月25日)接種

▽16歳の男性

 病歴等:なし

 9月25日 男性患者はワクチン2回目接種を受けた。

 9月26日(ワクチン接種1日後)熱、皮疹が発現した。

 解熱剤を内服した後、解熱した。

 皮疹が続いたため、9/27受診した。

 患者は皮膚粘膜眼症候群を発症した。

 処方を受けたが、その後、症状は軽快せず。

 10月11日(ワクチン接種16日後)皮疹が広がったため、病院皮膚科に紹介された。

 皮膚粘膜眼症候群、発熱、皮疹、蕁麻疹の転帰は未回復であった

 全身性紅斑、全身性そう痒症の転帰は不明であった。

 10月15日(ワクチン接種20日後)患者の母親のみ来院し、塗布薬を処方した。

 報告医師は、事象を非重篤と分類した。

 事象とワクチンとの因果関係は評価不能であった。

 

○(令和3年9月25日)接種

▽50歳の女性

 病歴等:気管支喘息、化学物質過敏症、パニック障害(継続中かどうか不明)

 9月25日 女性患者はワクチン2回目接種を受けた。

(ワクチン接種約7ヶ月後)右肩関節炎、易感染性、全身倦怠感、喘息の悪化、記憶障害が続いた。

 7月09日(ワクチン接種287日後)当院へ初診した。

 それまでにいくつかの病院へ受診し、異常なしと言われてきた。

 全身倦怠感、記憶障害が強く、仕事を長期で休んでいる状態であった。

 ワクチン接種後の遅発性後遺症と判断し、投薬治療を開始した。

 10月22日(ワクチン接種392日後)最終受診時、全身倦怠感はやや改善も、記憶障害、多発性関節痛が続いていた。

 事象の転帰は、未回復であった

 報告医師は、事象を重篤(障害につながるおそれ)と分類して、事象がワクチンに関連ありと評価した。 他要因の可能性はなかった。

 

○(令和3年9月26日)接種

▽17歳の男性

 病歴等:イネアレルギー(継続有無は不明)

 9月26日 男性患者はワクチン1回目接種を受けた。

(ワクチン接種22分後)患者は倦怠感、腹部不快感、脱力感(1時間程度)を発現した。

 しびれ、発疹を発現した。

 その後、体動困難を発現した。

 体動困難は、入院期間不明の重篤であった。

 坐位保持も困難であった。

 そのため救急車を要請した。

 その後の状態は、病院から知らされなかった。

 事象の転帰は、不明だった。

 報告者は、体動困難を重篤、入院期間不明として分類した。

 報告医師は、体動困難を除く事象を非重篤と分類し、事象はワクチンと関連ありと評価した。

 

○(令和3年9月26日)接種

▽19歳の男性

 病歴等:なし

 9月26日 男性患者はワクチン2回目接種を受けた。

 9月29日(ワクチン接種3日後)体調が悪い、を発現。

 聞こえづらさ、左耳が詰まったような感じがあった。

 不明日(10月02日あたり)耳が聞こえにくいのと、頭痛があった。

 口からよだれが出る、目が閉まらないくらいの、顔面神経麻痺が発現した。

 受診したが、ワクチンとの因果関係は、何とも言えない、症例報告がないから、言えないと言われた。

(10月に入ったくらい)左目が閉じなくなった

 口もちゃんと閉まらなくて、梨が口から出てきてしまうような感じであった。(原文ママ)

 ワクチン接種が体の左側だったので、患者は左側全般にだるさを発現した。

 足の重さもあった。

(ワクチン接種後2週間)症状は未回復であった

 症状は、彼の日常生活に影響を及ぼし始めた。

(不明日)大きい病院に入院したが、症例報告がないから、何とも言えないと言われた。

 左手足がおかしかった。力が入らなかった

 神経内科へ行ったが、異常は見つからなかった。

 しかし、医師は力が入らないことはわかっており、明らかにちょっと気持ち悪いね、と言った。

 眼科に行ったときも、兎眼、目がずっと閉まらない状態になっている、と言われた。

 しかし、ワクチンとの因果関係があるとは言い切れないと、たらいまわしにされた。

 歩くと、息がハアハアした。

 不全片麻痺、眼瞼障害、頭痛、労作性呼吸困難、よだれ、兎眼の転帰は不明であり、その他の事象の転帰は、未回復であった

 

○(令和3年9月26日)接種

▽16歳の女性

 病歴等:なし

 9月26日 女性患者はワクチン1回目接種を受けた。

 10月10日(ワクチン接種2週間後)家族が、患者が自宅の部屋で倒れて、てんかんを起こしているところを発見した。

 患者は失神、てんかんを発現した。

 10月31日(ワクチン接種35日後)患者は、舌を噛んだと確認された。

 患者は、意識障害を発現した。

 11月30日(ワクチン接種65日後)事象の転帰は回復したが、後遺症(てんかん)ありであった。

 報告医師は、事象を重篤(障害)と分類し、事象とワクチンとの因果関係は関連ありと評価した。事象を引き起こすと考えられる他の要因はなかった。

 

○(令和3年9月26日)接種

▽16歳の男性

 病歴等:報告なし

 9月26日 男性患者はワクチン2回目接種を受けた。

 9月27日(ワクチン接種1日後)38.5度の発熱が発現した。その後解熱するも、全身倦怠感が持続した。

 徐々に、食事も摂れず、水分のみを少しずつ摂取している状態が続いていたようであった。

 更に、足が痛く、四肢の筋力低下が徐々に進み、歩行も困難となった。

 10月04日(ワクチン接種8日後)当院の外来を受診した。

 来院時、脱水が著明で消耗し、どうにか立位が出来る程度であった。

 握力はかなり低下し、ペットボトルのふたを開けるのも困難な程度の筋力低下であった。

 脱水症および四肢の筋力低下の診断で、同日入院した。

 10月07日(ワクチン接種11日後)ギラン・バレー症候群、急性散在性脳脊髄炎などの鑑別のため、プライバシー・センターへ転院となった。

 12月15日(ワクチン接種445日後)患者はリハビリにて両杖歩行可能となってきているが、現在も報告病院にて経過観察中であった。

 他院にて鑑別診断を行ってもらった際は解離性運動障害の疑い、ギランバレー症候群の可能性と診断されていた。

 患者は、ワクチン接種後の副反応が遷延しているようである。

 報告者は、事象を重篤と分類し、ワクチンと事象との因果関係を関連ありと評価した。他の要因の可能性はなかった。

 報告者意見:現在は当院にてリハビリテーションを継続し、1年かけて両杖歩行にて安定した歩行が可能となってきている。症状の経過より、ギラン・バレー症候群であった可能性は高く、ワクチン接種後の副反応と考える。

 

○(令和3年9月27日)接種

▽12歳の女性

 病歴等:これまで各種ワクチンにて発熱、発疹あり

 9月27日 女性患者はワクチン1回目接種を受けた。

(接種1分後)注射直後に脱力が出現した。30分経過をみたが、完全には回復しなかった。

 患者は末梢神経障害、脱力を発現した。

 脱力の転帰は、未回復であった

(不明日)残りの事象の転帰は提供されなかった。

 報告医師は事象を重篤(障害につながるおそれ)に分類し、ワクチンとの因果関係を関連ありと評価した。事象の他要因の可能性はなかった。

 

○(令和3年9月28日)接種(令和3年9月30日)死亡

▽38歳の男性

 病歴等:なし

 9月28日 男性患者はワクチン2回目接種を受けた。

 9月29日(ワクチン接種1日後)頭痛、発熱が発現。市販の解熱鎮痛剤を内服した。

 21:00頃、2分間の意識消失発作があった。

 23:00、再び意識消失救急要請された。心肺停止であった。心室細動がみられた。

 直流除細動、アドレナリン投与などが行われたが、蘇生に反応なかった。

 9月30日 01:56 事象の転帰は、死亡であった

 報告医師は、事象を重篤(死亡)と分類し、ワクチンとの関連があると評価した。他要因の可能性を、無症候性の心疾患の可能性とした。剖検が行われたか否かは報告されなかった。

 報告者意見:これまでまったく既往のない38歳男性であり、ワクチン接種後の発熱と同時に不整脈の発生があることから、関連が疑われる。ただし、心窩部痛の訴えは以前にあったとのことで、なんらかの心疾患が背景にあることも可能性は否定できない。

<専門家による評価コメント(令和6年1月26日時点)>

 既往のない若年男性の突然死症例ではあるものの、もともと心室細動・心肺停止の原因となるような基礎疾患は有さなかったことを示唆する情報(剖検の情報等)が不足している。

 

○(令和3年9月28日)接種

▽24歳の女性

 病歴等:なし

 9月28日 女性患者はワクチン1回目接種を受けた。

 接種後、39.6度の高熱を発症した。服薬し、発熱は37.5度までにおさまった。

 患者はその後仕事をしたが、全身倦怠感を発症した。

 10月08日(ワクチン接種10日後)患者は突然、話しにくくなった

 左手が上がらなくなった。

 動けなくなり、口角より水分が垂れてしまった。

 脳血栓症(左不全片麻痺)が起こった。

 顔面麻痺、片麻痺、失語症/構音障害が発現した。

 10月09日(ワクチン接種11日後)朝、患者は脳神経外科を受診した。脳梗塞との診断に至り、入院した。

 10月23日(ワクチン接種25日後)事象の転帰は軽快、回復したが後遺症(軽度左不全片麻痺)有り、であった。

 報告医師は、事象を重篤と分類し、事象とワクチンとの因果関係は、関連ありと評価した。他の要因の可能性はなかった。

 報告医師コメント:患者の既往歴として特に問題はなく、ワクチン接種10日後に脳血栓症を認めているため、関連ありと判断した。

 

○(令和3年9月28日)接種

▽17歳の女性

 病歴等:なし

 9月28日 女性患者はワクチン1回目接種を受けた。

(ワクチン接種1時間後)患者は心身症を発症した。

 9月29日(ワクチン接種1日後)激しい過呼吸を発現した。正午からは咳、微熱があった。

 9月30日(ワクチン接種2日後)患者は報告病院を受診した。

 10月02日(ワクチン接種4日後)学校で、軽い痙攣発作を発現した。救急外来を受診した。

 10月15日(ワクチン接種17日後)手足をバタバタさせる不随意運動を発現した。

 10月23日(ワクチン接種25日後)患者は両手の振戦、体温調節異常、過呼吸症状のため、神経科精神科の医師に紹介された。

 事象の転帰は、未回復であった。ほぼ連日繰り返している。

 報告医師は、本事象を医学的に重要と分類し、本事象はワクチンと関連ありと評価した。他の要因の可能性はなかった。

 

○(令和3年9月29日)接種

▽16歳の男性

 病歴等:てんかん(薬で、てんかんの発作は抑えられていた。)

 9月29日 男性患者(報告者の子供)はワクチン2回目接種を受けた。

 10月04日(ワクチン接種5日後)てんかんの発作が発現した。

(不明日)動作が止まる発作が発現した。

 発熱37.5度、倦怠感、頭痛を発現した。

 主治医から「接種しても大丈夫」と言われ、接種を受けた。

 ワクチンを接種するまで、4年半は、発作は起きていなかった

 薬で、てんかんの発作は抑えられていた。

 接種後に、何度もてんかんの発作が起きている。

 発作のない日もある、というくらいで、現在も続いている。

 主治医は「副反応として発作は、今まで見たことがない」と言った。

 全ての事象の転帰は不明であった。

 

○(令和3年9月29日)接種

▽12歳の女性

 病歴等:なし

 9月29日 女性患者はワクチン1回目接種を受けた。

 9月30日(ワクチン接種1日後)38~40度の発熱があった。

 患者は発熱、甲状腺機能低下症を発現した。

 10月04日(ワクチン接種5日後)から、下痢を認めた。

 10月06日(ワクチン接種7日後)肝機能障害を認めた。入院となった。

 10月08日(ワクチン接種9日後)解熱傾向となった。原因精査中である。

 患者は、輸液などを含む処置を受けた。

 未回復であった

 報告医師は、事象を重篤と分類し、事象とワクチン間の因果関係を評価不能とした。他の原因で考えられるものは、ウイルス感染や免疫疾患であった。

 

○(令和3年9月29日)接種

▽47歳の男性

 病歴等:甲状腺機能低下症

 9月29日 男性患者はワクチン2回目接種を受けた。

(ワクチン接種同日)接種肢の疼痛の遷延を発現した。

 10月21日(ワクチン接種22日後)同程度の疼痛が持続し、重い物を持つことができなかった。

 事象の転帰は、未回復であった

 報告医師は、事象を重篤と分類し、事象とワクチンとの因果関係は関連ありと評価した。他の要因の可能性はなかった。

 

○(令和3年9月30日)接種(令和3年10月5日)死亡

▽51歳の男性

 病歴等:なし

 9月30日 男性患者はワクチン1回目接種を受けた。

 10月04日 呼吸苦、肝機能障害が発現した。胸痛も自覚し、他院を受診した。入院した。

 胸部レントゲンで肺水腫を認め、心エコーにて壁運動低下が認められた。酸素状態が改善しなかったため、気管挿管が実行された。

 当院へ搬送された。病着時、チアノーゼ著明、瞳孔は散大対光反射は消失

 全身痙攣を認めており、低酸素脳症による脳障害が予想された。心筋症が疑われた。

 人工呼吸器管理下でも呼吸状態は安定せず、脳機能予後が悪いことも家族に説明した。

 入院後もチアノーゼは改善されず徐々に血圧も低下した。

 10月05日 患者は痙攣、肝機能障害、敗血症、心筋炎、重症感染症により死亡が確認された。

 報告医師は本事象を重篤(死亡)と分類し、本事象とワクチンとの因果関係は評価不能とした。他要因の可能性は、明らかな原因は不明であるが、敗血症、心筋症を併発して重症化した経緯が想定された。

 報告医の意見:アナフィラキシーや血栓塞栓症、心筋炎を積極的に疑う所見は乏しいと考えた。ただし、解剖は行われていないため明らかな原因は不明であり、一元的に説明しうる疾患はなく、ワクチン接種との関連は否定はできないと考えられる。

<専門家による評価コメント(令和6年1月26日時点)>

 コメント無し

 

○(令和3年9月30日)接種

▽13歳の男性

 病歴等:なし

 9月30日 男性患者はワクチン2回目接種を受けた。

 10月03日(ワクチン接種3日後)労作時の呼吸苦、前胸部痛が出現した。

 胸痛は安静時にも消失しなかった。

 10月04日(ワクチン接種4日後)検査が実施された。

 運動時の息切れ、閉塞性肺障害が認められた。

 胸部CTでは気管支の壁肥厚を認め、喘息あるいは急性気管支炎に矛盾しない所見であった。

 検査で、心筋炎は否定的であった。

 患者は、これまで一度も喘息と診断されたことはなかった。

 ワクチンにより喘息様発作が誘発されたと考え、治療を開始した。

 その後、胸痛は1週間かけて徐々に改善した。

 しかし、ワクチン接種3週間の時点で、まだ労作時の息切れが残存していた。

 事象の転帰は、未回復であった

 

○(令和3年9月30日)接種

▽47歳の女性

 病歴等:なし

 9月30日 女性患者はワクチン2回目接種を受けた。

(ワクチン接種日)患者に37.2度の微熱、左半身のしびれと痛み頭痛倦怠感が出現した。

 翌日からも、症状は改善せず、持続した。

 10月07日(ワクチン接種7日後)患者は他院内科を受診した。

 身体的所見では、明らかな緊急性のある疾患を疑う所見はなかった。

 血液検査と心電図でも大きな異常は認めなかった。

 しかし、患者は左半身のしびれと痛み、頭痛と倦怠感が続いていた。

 家事もできないとのこと。

 報告時点では、未回復である

 報告者は、事象を重篤(障害につながるおそれ)と分類し、ワクチンとの因果関係は関連ありとした。可能性のある他要因は不明であった。

 報告者コメント:生活に支障をきたしているようである。

 

○(令和3年9月30日)接種

▽15歳の女性

 病歴等:なし

 9月30日 女性患者はワクチン2回目接種を受けた。

 10月06日(ワクチン接種6日後)睡眠障害/長時間睡眠、持続する倦怠感、頭痛が発現した。

 不登校になった

 採血・採尿検査、頭部MRI検査では、異常を認めなかった。

 10月27日(ワクチン接種27日後)起床時に症状が軽減し、半日登校が可能になった。

 自覚症状は軽減したが、症状出現前には戻っていなかった。

 各種臨床検査を受けて、すべて異常を示さなかった。

 11月05日(ワクチン接種36日後)事象の転帰は軽快であった。

 報告医師は、事象を重篤に分類し、事象とワクチンとの因果関係は評価不能とした。

 報告医師コメント:ワクチンとの因果関係は不明であった。

 

○副反応検討部会(令和3年10月1日)接種後の死亡事例が1233人に増加。

⇒資料

 コロナワクチン接種後数日後に心筋炎を発症し、特に若い男性に多い報告が本邦を含めされている。

 機序は不明だが、ワクチン接種による発熱等の全身の炎症免疫反応の賦活化により、心筋の炎症が惹起されることも考えられるが今後の解明が必要である。

 ワクチン接種後の心筋炎発症の機序は未だ不明であり、因果関係も含めて今後の検証が重要である。

⇒審議の概要(厚労省HP)

(全体のまとめとして)これまでの報告によって(省略)引き続き安全性において重大な懸念は認められないと評価されました。

(死亡例の報告について)現時点では、ワクチンとの因果関係があると結論づけられた事例はなく、接種と疾患による死亡との因果関係が、今回までに統計的に認められた疾患もありませんでした。

 

 

 vol.10時系列の内容は以上です。

 

 国の情報提供における「メリット」「ベネフィット」は、「個人」が「接種の的確な判断に資する」ための「分かりやすい」ものとなっているのでしょうか。

 あらゆる対象集団を一括りにした「接種のメリット>リスク」との情報提供は、適切と言えるのでしょうか。

 

 

 vol.11に続きます。

 

 vol.9はつぎのとおりです。