### 前回のつづき ###
ねえ、ねえ。
今日のタイトルは
「高度成長時代の日本人に勇気をくれた梅棹忠夫」
となっているけど
具体的に何が日本人に勇気をくれたの?
ああそれか。
梅棹忠夫の最も日本人を勇気付けた著書は
『文明の生態史観』(中公文庫など)だ。
何が書いてあるのかというと
<世界の文明を西洋と東洋に二分するのは間違いだ>
という仮説からはじまる。
へー。
よく分からないけど、
どういうこと?
そもそも世界の文明地域は
西洋と東洋と云った風に分けると実態との
かけ離れが大きすぎるというのだ。
じゃあ、梅棹さんはどのように分ければよいと
言っているの?
人類の歴史的な文明世界(ユーラシア大陸中心)を
大きな楕円系としてとらえると、
歴史的に相似しているのは
西の端の西欧と東の端の日本である。
ここでは、いつの時代も最新文明が育っていたり
取り入れたりしている。
ところが、ユーラシア大陸の中間に拡がる
乾燥地帯は四大文明発祥の地だが近代文明は
未成熟である。
歴史的文明世界の分け方を
第一地域=西欧と日本
第二地域=それ以外
とにするのが正しい。
としたのだ。
そして著者は西欧と日本の「平行進化説」を
唱えた。
<日本は戦争に負けても、永い文明の歴史から
みれば、依然として高度文明国である>
という梅棹忠夫の言葉は
西欧コンプレックスと敗戦のダメージで
へとへとになっていた日本人に大きな勇気を
与えたのだ。
(完)
(注)来歴等に関する出典はWikipedia他
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