釣りが大好きなため筆名を鱒二とした文豪 | キャリア・読書・人生の窓

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汝の一日、かくの如く終れば、汝の一生もまたかくの如し。
そうだ、今日考えたことを書き留めておくことにしよう。

 

7月10日は作家・井伏 鱒二(いぶせ ますじ)
の命日。
(明治31年2月15日 ~ 平成5年7月10日)

 

 

■井伏 鱒二は1898年(明治31年)
広島県安那郡加茂村の旧家(代々の地主)に生まれた。
5歳のときに父を亡くし特に祖父にかわいがられて育つ。
1912年(明治45年)には旧制広島県立福山中学校に進学。

 

 

■同校の庭には池があり、二匹の山椒魚が飼われていて、
これがのちに処女作として発表され、世に知られること
となる『山椒魚』に結びついた。
作文は得意だったが成績はあまり振るわず、中学校3年生
ころから画家を志し、卒業すると3ヶ月間奈良・京都を
写生旅行をした。

 


■こののち、同人誌に投稿などをしていた文学好きの兄
からたびたび勧められていたこともあって、
井伏は文学に転向することを決意、早稲田大学文学部
仏文学科に入学する。
そこで同じ学科の青木南八と親交を深める一方、文壇で
名を成していた岩野泡鳴や谷崎精二らのもとを積極的に
訪ねるようになる。

 

 

■しかし1921年(大正10年)、三回生のとき、井伏は
担当の教授と衝突し、休学して帰郷してしまう。
約半年後に帰京、復学の申請をするが、同教授が反対
したため叶わず、やむなく中退となった。
さらにこの年、無二の親友だった青木が自殺するに及び、
井伏は日本美術学校も中退してしまう。

 

 

■1923年(大正12年)、同人誌『世紀』に参加し、
『幽閉』(のちの『山椒魚』)を発表。
翌年、聚芳社に入社するが、退社と再入社をくりかえし
たのち、佐藤春夫に師事するようになる。
1924年(大正13年)、親友を頼って山口県柳井市に滞在。

 


■1927年(昭和2年)、『歪なる図案』を『不同調』誌に
発表、初めて小説で原稿料を得た。
文藝春秋の女性誌『婦人サロン』に、同人誌仲間の
中村正常(中村メイコの父)と組んで、
「ペソコ」と「ユマ吉」というモガとモボを主人公にした
ナンセンス読み物を書き始める。
同年10月、遠縁の娘、秋元節代(当時15歳)と結婚。

 

 

■1929年(昭和4年)、梶井基次郎の『ある崖上の感情』
の影響を受けた『朽助のいる谷間』を『創作月刊』誌に、
『幽閉』を改作した『山椒魚』を『文芸都市』誌に、
『屋根の上のサワン』を『文学』に発表。
翌年、初の作品集『夜ふけと梅の花』を出版。
この年は小林秀雄らが出していた雑誌『作品』の同人と
なったり、太宰治とはじめて会ったりしている。
1938年(昭和13年)、『ジョン萬次郎漂流記』で
第6回直木賞受賞、『文学界』誌の同人となる。

 

 

■戦時中は陸軍に徴用され、開戦を知ったのは
南シナ海上を航行する輸送船の中だった。
その後日本軍が占領した昭南に駐在、現地で
日本語新聞(昭南新聞)の編集に携わった。
この経験がその後の作品に大きな影響を与えている。

 

 

■昭和初年から山梨県を頻繁に訪問した。
山梨では多くの地元文人と交流し、趣味の川釣りなど
を行っている。
山梨を舞台にした作品も多い。
1939年(昭和14年)には弟子・太宰治の結婚を甲府で
仲介している。

 

 

■1944年(昭和19年)7月には甲府市甲運村の岩月家に
疎開する。
岩月家は双英書房の創業者である岩月英男の実家で、
岩月も井伏門下で、太宰治の著作などを刊行している。
翌年1945年7月6日-7日の甲府空襲では被災。
井伏はその後、広島県福山の生家に再疎開しているが、
戦後も山梨県訪問は頻繁に行っており、
俳人の飯田龍太らと交流した。

 

 

■1965年(昭和40年)、『新潮』誌に名作『黒い雨』
(連載当初は『姪の結婚』)を連載。
『黒い雨』は克明に描いた広島・原爆の悲劇。
この作品で1966年(昭和41年)、野間文芸賞を受賞。
同年に文化勲章も受章した。
1993年(平成5年)7月10日、95歳で死去。



!?ねえ、ねえ。
井伏 鱒二って『山椒魚』から『黒い雨』まで随分
作品の幅が広いのね?
弟子が太宰治だったとは知らなかったわ。
その作風って一口にいうとどんな感じ?

 


          
           (つづく)

 

 

 

 

             合格

 

 


(注)来歴等に関する出典はWikipedia他

 

 

 

 


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