タイトル 「天使の羽」 979「そんなに病院を守りたいんですか?」 みさきは問いただした。 我慢の限界だ。 小春はみさきの顔をじっと見つめて、 ニッコリとした。二人の間に温度差を感じた。 それがみさきには恐怖でさえあった。「本当にあなたっていい子ね。 私の子育ては間違ってなかったのかしら」 思わず、みさきは身震いした。 みさきは母親に育てられたという 意識はあまりない。 どちらかと言うとほったらかしで、 支配的でさえあった。「とにかく私はあなたの上司なのよ。 私の考えに従いなさい」