その日の鈴音は
いつもより早いペースで
チュウハイを飲み干していく。
心配になって、翔太が止めようとしても、
「もう少し飲ましてよ」とグラスを空けていく。
それは酒の力を借りなければ言えそうにないからだ。
どうしても聞きたいこと。
聞きたかったこと。
そして伝えたいこと。
どんどん鈴音のグラスをあけるペースがあがってく。
もう限界……。
これ以上飲んだら、意識がとびそう……。
でも飲まずにとても言えそうにないよ。
「スカートなんだから、気をつけろよ」
翔太が注意した。
スカートが捲くれ上がっていた。
鈴音はサッと裾を丸め込み、正座姿になった。
正座すると、なんか度胸が固まった。