そうよ、山ちゃんだって、私よりブサイクなおばさんが好きだったじゃないの。
いつまでも元嫁のこと思ってたりしてさ。
ブサイク好きって絶対にいるのよ。
「そう言えば山ちゃんって卒業できるのかな?」
急に山ちゃんが頭に浮かんだ。
「そっか、愛海は山ちゃん、知らないんだっけ?」
「知ってるよ、変わり者で有名だから」
本当、変わりすぎだ。
「多分卒業できると思うよ」
「そうじゃないと困るよね」
「大丈夫よ、だって、司法試験合格したらしいから」
「えっ?ええ!司法試験に」
「らしいのよ……、まあ、だから最近よく学校来てるしね」
「どうして教えてくれなかったのよ」
桃花はルカに会うや、山ちゃんのことを切り出した。
「だって桃花って山ちゃん避けてただろ」
「それはそうだけど……」
だって、山ちゃん、私のこと元ヤンと思ってるし。
森ガールでいたいって思ってたし。
「司法試験受かったって聞いた時はびっくりしたけど、考えてみたら、ずっとそのために大学休んでたようなもんだからね」
うん?なんか話が違う。
「愛ちゃんが尻叩いたから、受かったようなもんだね」
「愛ちゃん?」
「山ちゃんの嫁さんだよ」
「ああ、おばちゃんね」