タイトル「森ガールと盛りあガール」 153 | 可愛い君に愛を囁きたい

可愛い君に愛を囁きたい

みぃたんと忍者たなかーず

愛ちゃんが「子供に会いたければ、司法試験合格してみなさいよ」と言ったのが、全ての始まりだった。

 元々エリート高出身でエスカレーター式で大学まで上がってきてるくらいだから、頭はいいと思ってた。

 でもまさかあのチャラ男が、本当の弁護士先生になるとは……。

 私は嫌だわ。

 あんな弁護士。

 痛車で、それこそアニメソングでもバリバリ鳴らしながら、法廷にやってくるんでしょ。

 まずそこからマイナスじゃん。

 ありえないよ。

 勝てる裁判でも負けちゃうよ。

 陪審員の印象が悪いでしょ。

「フラフラしてるあんたに子供は預けられないわと、飛び出したもんだから、さすがに山ちゃんも目覚めたんだろうね」

 月に一度子供に会わせる代わりに近況報告をさせていたらしい。

まあ弁護士になれば過去の前科を打ち消せるかもしれない。

それこそ少年犯罪専門の弁護士になったらいい。

そんな資格を持たせたかったんだ、あのおばさん。

やるね、ほんとに更正させてるじゃないの。

「でも司法試験って、そんなに簡単に受かるもんじゃないよね」

うちの大学出身者の中にだって、卒業して、三十歳くらいで受かる人がざらだ。

まあ、現役って言っても二十六だけど……。

それでも奇跡に近い。

私はそもそも司法試験自体が頭にない。

 父親の下で働くなんて、絶対に嫌だ。