タイトル「森ガールと盛りあガール」 141 | 可愛い君に愛を囁きたい

可愛い君に愛を囁きたい

みぃたんと忍者たなかーず

 桃花はコンサートが終わると、急ぎ足に愛海を追いかけた。

 出口の辺りにまだ蘭子たちに囲まれていた。

 客が桃花に気がついて握手を求めてきた。

 桃花は面倒臭いと思いつつ、握手をしながら、愛海に声をかけた。

「愛海、ごめんね、余計なことしちゃった」

「いいよ、別に」

「でもね、若菜ちゃんは愛海のことを愛してるんだよ」

「分かってる」

「それだけ伝えてくれって言われたから」

「そのうち、また桃花のコンサートに行くから」

「えっ……」

「だからって、許すってことじゃないからね」

「うん、でも、良かった」

「あんな父親でも一応父親らしいから」

 そう言い残して愛海は蘭子たちに連れられて出て行った。

 楽屋に戻ると、若菜ちゃんが泣いていた。

 桃花を見るや、「ありがとうね」と手を差し伸べた。