追悼ジーン・ハックマン!後期の代表作をやっと観た「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」 | キネマ画報

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名古屋在住映画好きダメ人間の映画愛をこめてのブログ多少脱線ありです。

「天才マックスの世界」のウェス・アンダーソン監督が世界的に注目を集めるきかっけとなった2001年製作の異色コメディです。ウェス・アンダーソン監督作品ながら見逃していたこの作品を昨日訃報が報じられたジーン・ハックマンを追悼して観てみました。

 

ニューヨークで暮らすテネンバウム家の3人の子どもたち、長男チャスはビジネス界で大稼ぎ、長女マーゴは劇作家、次男リッチーはテニス選手として成功を収め天才児と持てはやされていた。しかし父ロイヤルが家を出たことで一家は離散し、子どもたちは問題だらけの大人へと成長し…

 

ジーン・ハックマンは一家の父親ながら妻との離婚のあとは育児を妻にまかせ22年間ホテル暮らし。しかし、息子の財産に手を出し弁護士資格をはく奪され仕事もなくホテルも追い出される。そんな彼は胃がんで余命6週間だからと家族を再集結される。

離れて暮らしていた息子や妻はそれぞれいろんな事情を抱えていて、父の嘘からみんなが新たな一歩を踏み出すという展開でした。

後のウェス・アンダーソン映画の要素がここに詰まっていて、ほぼ完成されているなあと実感。ジーン・ハックマンはこんなセンス爆発な映画であっても彼らしく存在していて違和感がありません。

「エネミーライン」というゴリゴリのハリウッドアクション映画で共演しているオーウェン・ウィルソンとっこんな真逆なタイプの作品で再共演しているのも楽しいです。

こういう作品でも変わらずジーン・ハックマンらしい存在感があるのが、最近はわりとドライな感じのウェス・アンダーソン映画に温かみを与えている気がしました。