大阪の街を舞台に普通の女子大生と恋に落ちた中年ヤクザを描いた「鬼火」の望月六郎監督の1997年の作品です。アマプラで火野正平さんの出演作品を探していたらこれが出てきたので久しぶりに観ました。
暴力団大隈組の行動隊長・田坂は妻に売られて懲役をくらってからシャブとは手を切り、衰退の危機に追い込まれている組のために奔走していた。田坂とは対照的に頭を使って生きるタイプの若頭・松井は、関東で勢力を拡大している宇崎組と手を組んで利権を獲得しようと考え、松井の頼みならばとこれを引き受け、田坂を東京に送り込む。見張り部屋から双眼鏡を覗いて標的を待っていた田坂は、偶然目に飛び込んできた向かいのコーヒーショップの娘・洋子に心を奪われ…
劇場公開以来観ていなかった作品で火野正平さんがなんの役だったかも覚えていませんでした。
観てみたら主人公が命を狙う宇崎組の組長でした。火野さんが組長をやっているのはレアかも。
火野さんの出番はそんなに多くなく、ほとんどが奥田瑛二さん、夏生ゆうなさんのシーン。
奥田さんのこの頃のうらぶれた中年男役は絶品で、夏生ゆうなさんも前年の「男たちのかいた絵」からあの普通ぽさながら脱ぎまくっていてながら、男たちに滅茶苦茶にされる役で印象的でした。
改めてみると絶妙な存在感で演技も味があるし、なんで消えてしまったのか謎なくらいこの作品では魅力的です。
ウィキペディアにもほとんど情報がないし謎すぎる女優です。
同じ年に傑作「鬼火」があったから影の薄い作品ですが、改めて観るとこれはこれで味わい深い新手のヤクザ映画でした。