「きみはいい子」の呉美保監督が9年ぶりに長編映画となる作家・エッセイストの五十嵐大による自伝的エッセイ「ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと」を映画化となる作品です。
宮城県の小さな港町。耳のきこえない両親のもとで育った五十嵐大にとって、幼い頃は母の“通訳”をすることも日常だった。しかし成長するとともに、周囲から特別視されることに戸惑いやいら立ちを感じるようになり、母の明るさすら疎ましくなっていく。20歳になった大は逃げるように上京し、アルバイト生活を始めるが…

呉美保監督のトークショー付きの上映回に来ましたが、ミッドランドスクエアシネマの不手際で上映やり直しとなりトークショーの時間が削られる事態になりました。
新宿、大阪、京都と舞台挨拶を回って名古屋に来ました。
監督は三重出身でご主人は滋賀県出身だとか。
映画化のきっかけは2021年に企画がきて、2015年と2020年に出産したばかりでCM中心に仕事してきた中、この話が来て、親子の物語で子どもや母である自分、コーダというマイノリティの話が在日である自分とオーバーラップしてやるべきだと思ったと。
家族の物語が多くの人に共感してもらえると思って製作した。
自分は手話がわからないので今回は手話の専門の演出をつけた。
リアリティーを求めて手話ユーザーの人のネイティブな手話を出したかったので、ちゃんと手話演出と実際のコーダの人、通訳の人にも入ってもらい撮影した。
実際のろう者にろう者を演じてもらった。
方言もジェネレーションの違いなど細かく表現していった。
子役は宮城でオーディションで選んだ。宮城に吉沢亮にそっくりな子がいた。
子役の芝居が難しくて、現場ですごく声かけ指示して撮影していて、音は別録りして編集で差し替えている。
映画は公開したあとはお客さんのものだと思っていて、感想を聞くのが楽しみだと。
通常版、聾者のための版、目の見えない人のための音声ガイドつきもすべて監督が監修したと。