後半はまさかの海女映画+サメ映画展開で最高だった「密輸 1970」 | キネマ画報

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名古屋在住映画好きダメ人間の映画愛をこめてのブログ多少脱線ありです。

「モガディシュ 脱出までの14日間」のリュ・スンワンが監督を務めたクライムアクションです。

1970年代半ば、韓国の漁村クンチョンでは海が化学工場の廃棄物で汚染され、海女たちは失業の危機に。リーダーのジンスクは仲間たちの生活を守るため、海底から密輸品を引きあげる仕事を請け負う。しかし作業中に税関の摘発に遭ってジンスクは逮捕され、親友チュンジャだけが現場から逃亡。2年後、ソウルからクンチョンに戻ってきたチュンジャは、出所したジンスクに新たな密輸の儲け話を持ちかけ…


韓国映画の中でもハズレない監督、リュ・スンワンの新作で期待もかなりでかかったですがそれを超えてくる面白さでした。

1974年、クンチョン港の海女たちは化学工場の廃液のせいでアワビが獲れなくなり、密輸入品の引き揚げで生活をするようになるも、誰かのタレコミで税関に逮捕され、チュンジャだけが逃げ延びたことからみんながチュンジャの裏切りを疑い、2年後出所した彼女たちは再び密輸入に手を貸すことになり、ソウルから帰ってきたチュンジャから新たな取引先のクォン軍曹を紹介されるが…

海女と密輸入ブローカーと税関の密輸品の儲けをめぐるクライムドラマであり、後半は海女映画になり、サメ映画にもなりという展開が凄いし、ベトナム帰りのクォン軍曹が強いという振りが前半にあり、中盤でその強さをきっちり見せるのもさすがアクション映画の巨匠リュ・スンワンです。さらに終盤の海中を舞台にしたアクション展開では海女設定をフルに活かして、サメまで投入するサービス精神で最後まで見所にことかかない作品でした。

それなのにお客さんが少ないのは宣伝の失敗なのでは。