大阪が舞台で関西弁ばかりの東宝製小津映画だった「小早川家の秋」 | キネマ画報

キネマ画報

名古屋在住映画好きダメ人間の映画愛をこめてのブログ多少脱線ありです。

他社進出三本目として小津安二郎が東宝でメガホンをとった1961年製作の宝塚映画創立十周年記念作品です。

 

代々、造り酒屋で手広い商売をしてきた小早川家。万兵衛の死んだ長男の嫁・秋子を再婚させようと、親戚連中は手を尽くすが、秋子はなかなか承諾しない。次女・紀子は転勤した同僚への恋を断ち切れない。一方、妻に先立たれた万兵衛は、昔なじみの妾とよりを戻していた。妻の法事の日の夜、急に倒れた万兵衛。一時は回復するが数日後、妾の家でぽっくり逝ってしまい…


原節子が未亡人役で最後に年寄りが亡くなって、杉山春子や笠智衆も出ていて「東京物語」みもありますが、森繁久彌ゆ加東大介が関西弁をまくしたてるオープニングからひと味違う小津映画になっていました。

関西弁のイントネーションがしっかりしているのは小津が三重県出身だからか杉村春子の名古屋弁もいい味出していて、やっぱり方言はいいなと実感。