女子プロレス団体スターダムのアイコン岩谷麻優の半生を実話をもとに描いたプロレス青春映画です。
スターダムのファンだし、原作も読んでの鑑賞です。
山口県の田舎で2年にわたり引きこもり生活を続けていたマユは、兄と一緒に観戦したプロレスに感激したことでプロレスラーになることを決意。コンビニ袋と6000円の所持金で家を出て上京したマユはプロレス団体の門を叩く。しかし練習の日々は厳しく、女子プロレス団体「スターダム」の1期生としてデビューを果たしたものの、レスラーとしてなかなか日の目を見ることができず…
さらに岩谷はかなりハードな受けをするレスラーなので彼女のような素人がやるのも不安でした。
そんな期待値マイナスからの鑑賞です。
結果、想像以上にお粗末な仕上がりでした。
まずこの映画には女子プロレスに対するリスペクトも愛も感じられません。
「アイアンクロー」の後でよくまあこんなにお粗末な作品を公開出来たなと思いました。
女子プロレスを離れて普通に一本の映画としてもひどい作品です。
安っぽい脚色に呆れ、描かれる内容も世Ⅳ虎と惡斗の岩谷麻優とは直接関係のないスターダム黒歴史みたいな部分ばかり掘り下げて、結局、運動能力のない女優をヒロインにしたせいで、レスリングシーンがまともに描かれず見応えがまったくない仕上がりでした。数少ないプロレスシーンも岩谷麻優本人が代役をしたそうです。岩谷麻優は柔道経験があったのに、女優にあわせて全くの無能にされているのがひどい。
この映画に登場するスターダムの運営のモデルになったロッシー小川と風花が新たにマリーゴールドという団体を立ち上げ、スターダムからもメンバーを引き抜いたというタイミングでの公開というのも最悪。
向後桃とカイリ(本人役!)の出演シーンが多かったけど、彼女たちが試合にしばらく出ていなかったのはこの作品のせいなのか?去年のスターダムの怪我人続出が起こったのはこの作品に選手たちが駆り出されたからでは。スターダムの創設者ロッシー小川が原作では岩谷との絆がしっかり描かれているのに映画では、ただ居眠りしているおじいさんみたいに描かれているのにも制作ブシロードの悪意しか感じず、ロッシーがブシロードを出ていったのは試合の合間に選手を酷使した撮影体制と内容がひどいこの作品が引き金になったのでは。
スターダムはこの作品で、得るものより失ったものの方がはるかに多いと思います。
初日の劇場のお客さんもガラガラだったし、いろんな意味で最悪な映画になってしまった、スターダムの新たな黒歴史を体験しました。